岡田保 さん

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どうも初めまして。
このたび少年王者舘の西杢比野茉実さんからのご紹介でブログリレーのバトンをもらいました、
演劇組織KIMYO所属、舞台美術家の岡田保です。
みなさまよろしくお願いします。

舞台美術家なんて名乗ってますが他にも肩書きは
・大道具
・舞台監督
・「かすがい創造庫」代表
なんてものもあります。
名古屋の小劇場の裏側でモソモソしている仕事です。

西杢比野茉実さん、僕はもくさんと読んでいますがこの方と初めて知り合ったのは僕がこの業界に飛び込んですぐのことです。
少年王者舘の「夢+夜」という作品が名古屋→京都→東京のツアーだったのですが、そのときに舞台監督助手みたいな立場でついていきました。
「小演劇とは何ぞや?」状態の右も左もわからない小僧に、王者舘のメンバーはとても優しく親身に付き合ってくれました。
当時はお世話になりました、ありがとうございます。
その後他所の現場での活動も多かったもくさんとは当然お会いする機会が多く。
今も昔も頼りになる先輩です。

そんなもくさんからの質問ですが
「舞台美術を考えていく過程で一番好きなときはいつですか?」
と。

そうですね。
舞台美術家それぞれ自分の仕事の仕方や順序があると思うのですが、僕の場合
①演出家と打ち合わせる
②プランを練る
③プレゼンする(何回か繰り返す)
④平面図、模型、正面図などを描きおこす
⑤道具帳(設計図)を描く
⑥タタキする(造る)
⑦仕込み
⑧本番
⑨バラシ
というのが基本的な流れです。
稽古見学や舞台監督との打ち合わせ等は上記では省いています。

さてその一連の中で基本的に「⑧本番」までこの作品の舞台美術について考えています。
場当たりを見てゲネを見て、その中でまだ手を加えても問題の無い箇所があれば自分の納得のいく限り触ります。いつでも100点なんてとれませんが、それでも限りなくこのお芝居にとって高得点であろうと足掻いています。
しかしながら「③プレゼンする」時点で僕のお芝居においての解釈が間違っていた、また③から本番までの間に演出家と僕との間で解釈の開きが出来てしまう場合は最悪です。作品の軸がぶれぶれになります。
なので重要なのは「③プレゼンする」ですね、やっぱり。

しかしながら好きなのは「②プランを練る」です。
これはもう芝居のイメージを聞かされた時点、台本が手に入った時点から常日頃考えてしまっています。
イメージカラーだったり重要なモチーフだったりがあればそれについて妄想し、具象舞台での指定があればそれに関する資料や写真を読みあさったりします。
空を眺めながら、運転しながら、タタキしながら考えます。
外壁がモチーフなら窓の外から見えるあらゆる壁を焼き付けます。
喫茶店ならその店の造りをまじまじと観察します。
友人の結婚式では「披露宴会場を必要最低限のモチーフで表すならば何が必要なのか」を延々考えていました。
ぼくの職業病は常日頃考えてしまうことですね。

以上がもくさんの質問に対する返答でした。

さて、今回ブログリレーの場を借りて皆様に知っておいて欲しいコトがございます。
それは「かすがい創造庫」についてです。
個人的によく「かすがい創造庫とはなんですか?」という質問をいただきます。
なんとなくたちあげたこの「かすがい創造庫」。
その説明をこの場を借りてさせてください。

「かすがい創造庫」とは「共同タタキ場」の名称です、会社でも劇団でもありません。
名古屋で大道具をタタきたい、けれど場所が無いという個人/劇団へのタタキ場のレンタルを行っています。
意外と格安なので興味のある方は是非ともご連絡ください。
交通は不便ですが、タイミングが合えば僕が手取り足取り大道具の作り方について教えることも出来ますよ!!

そして「かすがい創造庫」に所属しているメンバーもいます。
・代表   岡田保(演劇組織KIMYO)
・副代表  柴田頼克(電光石火一発座)
・メンバー 早馬諒(フリー)
の3人です。
タタキ場の一般利用者とかすがい創造庫のメンバーとの違いですが、メンバーになると創造庫内に自分の荷物を置くスペースを設けることができます。
また創造庫共有の部材(平台や箱馬、床材など)も使用することが出来ます。
これによりフリーの大道具や舞台監督の仕事をしやすい環境を提供しています。
メンバーにもタタキ場使用料などはありますが、名古屋でフリーとして仕事をしたいスタッフのために場所と資材を提供しています。
これは僕が「かすがい創造庫」を立ち上げた理由のひとつです。

名古屋で若いフリーのスタッフ活動しようとした際、その環境がない&先輩との繋がりが薄いという現状がありました。
僕自身さぁフリーで活動しようと思った時に、頼るべき場所や人との繋がりがなく、どうしていいものか困った経験があります。
ちょうどこの時期に今の「かすがい創造庫」となる倉庫をお借りすることができ、ならばと共同で使えるタタキ場にしようと思い立ったのがきっかけです。

僕自身このタタキ場を使って仕事の幅はグンと増えました。
なので名古屋で舞台スタッフの仕事を視野に入れている若者にこそ、このかすがい創造庫を利用して欲しいのです。
これが僕の「かすがい創造庫 代表」としての仕事です。

そんな僕の今後の活動内容ですが、いろいろあります。
劇団あおきりみかんさんの「だるい女」のアフタートークに出させていただいたり、 所属劇団演劇組織KIMYOの夏の東京名古屋ツアー公演「ユータラスボンボン」も控えています。
夏以降に目を向けるともっともっと仕事があります。
みなさまの目にとまる機会も多いと思いますので、その際はよろしくお願い致します。

さて、最後に次のバトンを渡す人を紹介したいと思います。
名古屋でフリーの照明家さんとして活動している花植厚美さん(flower-plant)です。
「舞台美術家」と「舞台照明プランナー」として仕事をする機会は実はこの方が一番多い気がします。
とても信頼しており、いつもこちらの予想を超えた素敵な照明を作ってくれます。
花植さんの明かりは僕はとても好きです、大好きです。

そんな花植厚美さんに質問です。
「照明のプランを考えるときに一番大事にしている自分のこだわりはありますか?」
です。
同じクリエイターとして、舞台スタッフとして気になりますね。
イケてる返答を期待しています!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
岡田保は舞台美術家として名古屋でがんばっていきます。
少しでも名古屋演劇を盛り上げるために!!
今後ともよろしくお願いします。