渡山博崇 さん

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はい。刈馬カオスさんからご紹介いただきました、「星の女子さん」の渡山博崇です。これはルビ振っとかないと読めないですよね。「ホシノジョシサン」のトヤマヒロタカです。どうぞ、よろしく。

鹿児島県の奄美大島で生まれたものの、生後3ヶ月で名古屋にやってきました。瑞穂区育ちです。子供の頃は八勝通りの八勝センターでビックリマンチョコとか買ってたんですが、八勝センターてのは小さな店舗が集まったスーパーマーケットのようなお店なんですけど、最近ではもう営業してる店舗が少なくなっていて、時代の流れを感じましたね。という年代です。まあ、33歳です。ちなみに演劇組織KIMYOの宮谷くんと同じ誕生日です。覚えなくていいですよ。

10代の頃、声優志望で某ナレーション学校に通っていたのですが、講師が劇団ジャブジャブサーキットのはせひろいちさんだったり、なにかと名古屋の小劇場と縁がありまして、気がついたら演劇をはじめてました。「月面コレクション」で小道具スタッフや俳優として活動を始め、「劇団イリスパンシブルティ」で座付き作家となり、じきに演出も手がけました。数字を覚えられない難病を患っているので、それがいついつのことだとかはわからないです。もはや。ついでに言うと名詞も覚えられないので、カラオケで歌いたい曲名を思い出せないという苦労もあります。(これはカラオケに行かない、という斬新な解決方法で乗り越えました。)現在は「星の女子さん」という劇団を主宰しています。あ、あと最近では「SLOFT/N」という北村想さんの率いる団体で演出助手をしたり、演出の勉強をしています。20代の頃は自分のこと天才だと思っていましたから勉強なんて全くしなかったのですが、30代になりますと、どうも売れてないし大して褒められもしないし、どうやら天才ではないな、と気付いたので、仕方なく勉強をはじめたのです。まあ一生を演劇で遊ぶために、学ぶことは多いです。なんだかボンヤリしてまとまりがないようですが、大体こんな演劇歴です。

「不条理劇の作家」と呼ばれることが多いのですが、僕が書いてるのは「おとぎ話」で、これは要するになんでもあり、といった意味なので、死体と会話したり虫と会話したりということがごく普通に行われます。(グリム童話なんか登場人物に動物はもちろん、そら豆やソーセージなんてのも出てきますしね)なのでジャンルで区分すると「メルヘン」としか言いようがないのですが、どうも「メルヘン」というジャンルは存在しないらしく、宣伝に困っています。仕方がないので、言われるがまま「不条理劇」と名乗ったりもしますが、あいつ、本当は、メルヘンなんだよ、とお友だちに広めて下さると助かります。

そんな作風をフルに発揮したのが短編小説「ハトビト」で、これは「第4回ショートストーリーなごや」の大賞を受賞しました。演劇ではなんの賞にも引っかからない僕ですが、小説は処女作にして賞をいただいてしまいました。それ以来、演劇向いてないんじゃないか?という疑惑が頭から離れないので、あまり考えないようにしています。

さあ、ここまで読んでる人いますか?えらいですね。あともう一息です。

ここでひとつ、宣伝を差し挟みましょう。

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星の女子さん⑤ 『回転木馬のデッドエンド』
作・演出/渡山博崇
2013年7月12日(金)~14日(日)
@七ツ寺共同スタジオ
出演/岡本理沙/鵜飼七菜子(電光石火一発座)/鈴木亜由子(ザ・シャカリキ)/棚橋愛/元山未奈美/いまいΣ(劇団「放電家族」)/長嶋千恵(劇団B級遊撃隊)/八代将也(room16)/神谷尚吾(劇団B級遊撃隊)/コヤマアキヒロ(劇団ジャブジャブサーキット)
※七ツ寺スタジオ提携公演
詳細はこちら→ http://joshisan.web.fc2.com/

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女優は全員可愛く、男たちは全員渋い、愉快なメンバーになりました。
是非ご来場ください。
あと、もうひとつ。
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『星の女子さんのワークショップ』
2013年5月25日(土)13:00~16:00
会場/七ツ寺共同スタジオ
定員/15名
参加費/1000円
連絡先/hoshinojoshisan@yahoo.co.jp
※件名を「ワークショップ参加希望」として、お名前、電話番号、メールアドレスをご連絡ください。

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こちらは七ツ寺共同スタジオとの提携公演の関連企画として開催され、星の女子さんでの創作方法を体験できる内容となっております。僕は俳優養成を趣旨としたワークショップが嫌いだったりするので、作品世界のガイドとして、創作現場の経験として、ご参加されてはいかがでしょうか。俳優養成は嫌いと言いつつも(本当は俳優養成を謳った金稼ぎが嫌いなんですが)、うちの現場で俳優に求めるもの、などの訓練方法もご紹介します。興味がありましたら、どうぞ。ご参加をお待ちしております。

宣伝でした。

さて、特に文字数を制限されていないとはいえ、長々と書きすぎています。刈馬さんからの質問にさくさくお答えしましょう。

「どんなときにアイディアが生まれますか?」

はい、その前にですね、刈馬さんは僕の作品というか劇世界を「ヘンテコブラックメルヘン」と名付けたんですね、勝手に。(前回のリレーブログ参照)ありがとうございます。メルヘンということをわかっていただけて。しかし、ヘンテコって、なんだか語呂が悪くないですか?「ブラックメルヘン」だけじゃ収まらなかったのでしょうか。なんなら「黒メルヘン」でもいいんですが。でも、そんな感じではなかったんでしょうね。そんな収まりのいい感じでは…だったらいっそのこと「黒ヤギ」でいいですよ。どんな作風ですか?って聞かれたら「黒ヤギ…ですね」って言いますよ、これから。ヒキガエルの腹をかっさばきながら「黒ヤギ…ですね」って言いますよ、もう。
なんの話でしたっけね。アイデアですね、アイディア…。

うちの窓から隣のマンションの給水塔が見えるんですけどね、カラスがいるんですよ、その塔に、いつも。いつもいるから、あの給水塔になにかあるのかな、カラスはなに目当てかな、死体かな、人の死体が入ってるかな、人の死体が入ってたら掃除する人が来るな、2人は出会うな、男女なら恋に落ちるな。という具合に「給水塔に住んでる美人水死体と掃除夫の恋物語」が自然とできあがるわけで、これを昨年「水辺・ア・シンメトリー」という作品として発表しました。

ですからこの場合は「カラスが運んでくれたの☆」で、いいですか?

この長い文章も、これでようやく終わりです。僕はお次に、天野順一朗さんにバトンを渡したいと思います。昨年、僕が審査員のひとりを務めたG/PITチャレンジフェスティバル2012優勝に輝いた劇団「放電家族」の主宰であり、劇作家、演出家、俳優、お笑い芸人と多彩な顔を持つエンターテイナーでもあります。

天野さんへの質問は「お金に困ったときどうしますか?」

全く演劇に関係ないですね。彼は妻帯者ですし、答えにくい面もありますでしょうから、独身時代のお話など、おもしろエピソードを交えて語ってくれる気がします。
演劇に関係ないようで、関係せずにはいられない「演劇人のお金の話」。
興味深いテーマですが、これって突っ込みすぎた話題でしょうか。さてさて。

みなさま、お付き合いありがとうございました。

渡山博崇