新人同盟『うまくいえない』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
新人同盟は日本劇作家協会東海支部所属の3人が組んだという少し特殊なユニットで、それぞれが短編を上演した前回公演とは異なり、今作は3人でひとつの作品を作るという、新人同盟ならではの公演となります。
本番が近いこともあるのか、非常に緊張感もあり、細かく何度も小返しをする光景が見られました。
劇作家である3人の個性がぶつかり混ざり合ってどのような作品が生まれるのか、期待が高まります。
●舟橋”委員長”慶子さん、台越竜太郎さん(出演)、長谷川彩さん(作・演出・出演)の話
『新人同盟』は劇作家協会に所属している3人が組んだユニットということですが、3人でやることの面白さ、難しさを教えてください。
→舟橋”委員長”慶子さん(以下舟橋):元々は台越くんの発案なんですけど、なんでも3等分に出来るのがメリットですね。芝居を打ったことが無く、機会もそんなに無い3人なので、ひとつの公演を一緒にやることで、裏がどうやって動いているのかということも含めて一緒に勉強していけるし、お金も3等分になる。それが最初のきっかけですね。面白さと難しさは表裏一体だと思うんですけど、皆劇作家協会にも所属しているので、それぞれ方向性が違うというか、好きなもの、目指すものが違うので、それがぶつかったりする時にうまく作用すれば面白くなる時もありますし、難しい時もあります。
→長谷川彩(以下長谷川):人間関係は悪化しますね(笑)。でも結構気心は知れているので、割と上からものが言える気安さはあります。「馬鹿かお前」って言えるのっていいじゃないですか(笑)。
今作品のテーマがあれば教えてください。
→台越竜太郎さん(以下台越):人間の関係性ですね。3人で一緒にやっているとこれまでの関係性が変わったりする。それを面白く感じたり感じなかったりするので、そういうものを劇に出来ないかなというのは最初にありました。でもそれを説明するのが難しいのでタイトルが『うまくいえない』になりました。
今回3人とも役者として出演もされていますが、演じる上で気を付けていることを教えてください。
→台越:ハキハキ喋る(笑)。
→舟橋:これまではいつもわたし自身で済む役を頂いていたんですけど、今回はわたしとは全然違う役です。かなえという役なんですけど、でも『こういう人いるな』とか『気持ち分かるわ』とか、かなちゃんとして観て貰えるようにしていきたいなと思っています。本当に挑戦ですね。
→長谷川:わたしは書いて演出しているのであまり考えたことないですけど、書いてる時に想像していたのと多少ズレはあるので、そのズレをどこまで埋められるかというところですね。ちゃんとした役者ではないので、自分が書いた通りに言える訳じゃないのが難しいなと思います。こういう風に言うはずだったのに全然言えてないなとか。
会話劇ということで、ほとんど動きがない中での表現で気を付けている部分、大事にしている部分はありますか。
→長谷川:会話しかしないので、雰囲気が出来てないと話の意味が無くなってしまう。二人には「なるだけ動かないで」と言っています。動きがない分台詞の言い方が非常に重要になるんですけど、台詞をひとつ言い間違えるだけで雰囲気が全然変わってしまう。だからかなり細かく言っています(笑)。会話劇は台詞がちょっとでも変わると全部変わってしまうので。
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新人同盟『うまくいえない』
作・演出:長谷川彩
会場:G/Pit
日時:2014年4月12日(土)~13日(日)
出演:舟橋”委員長”慶子・長谷川彩・台越竜太郎