汽水域『SANDMAN Rising』

汽水域『SANDMAN Rising』の稽古場をレポートさせてもらいました。

男装劇ということで、お話はギャングな男の話。けれど、演じているのは女優たちという汽水域ならではの世界観がある稽古場でした。

作・演出を行っている柿沼さんは普段は映像関係のお仕事をされている方なので、映像から舞台の世界へどういったものが導入されてくるのかとても楽しみです。

●柿沼岳志さん(作・演出)、山本深晴さん、鈴木理恵子さん(出演)、鈴木悦久さん(音響監督)の話

今回の作品は前回から引き続きのシリーズ物となっていますが、改めて今作品を書いたきっかけを教えてください。

→柿沼岳志さん(以下柿沼):最初から3部作にしようと決めていたんです。前回は『hollow』という作品でサンドマンのスピンオフを作ったんですが、思ったよりいいキャラになって。それで最後はサンドマンの話でしめたいと思ったんです。今回は、サンドマンというキャラクターのストーリーを重視して作りました。

あえて女性を男装させている理由を教えてください。

→柿沼:元々僕は、映画のフィルムノワール(1940~50年代のアメリカのギャング映画)を日本でやりたいと思っていたんです。でも僕の周りの役者は結構若い男の子が多くて。若い子がやるとどうしても滑稽になっちゃうんですよね。それで、もういっそのことフェイク(偽)ノワールとして女の子がやっちゃった方がチャーミングに成立させれるんじゃないかなって。

役を演じる上で意識していることなどを教えてください。

→鈴木理恵子(以下鈴木理):前回から引き続きサンドマンなので、役作りにはあまり困ってないですね。けれど今回私が演じるもう一つの役のフェイト教授と差をつけるように意識しました。私が演じるのはキャラが強いので、台本からイメージして、差をつけれるよう考えました。

→柿沼:そう思うと、理恵子より深晴の方がキャラがそんなに強くないものなので苦労してたんじゃない? 受けキャラというか。

→山本深晴(以下山本):そうですね。第一回公演でも肉屋をやったんですけど固定のキャラっていうのがなくて。毎回違うんです。でも話を進めていくキャラっていうのはクセがなくてプレーンじゃないといけないなって思っているので。そういうので結構苦労しましたね。

前回公演も今回も、音楽って全てオリジナルなんですね。

→鈴木悦久(以下鈴木悦):そうですね、1から作ってます。

→柿沼:音楽ってジャズが中心ですよね。何か理由とかあったんですか?

→鈴木悦:柿沼さんの雰囲気です。この作品はポップでもクラシックでも民族っぽくもないし、なんか文化的なイメージがあると思ってて。一つのカルチャーがあると思ってるんです。それが文化のイメージがあるジャズかなと。台本からジャズっぽい雰囲気もあったので。

では最後に今作品の見所を教えてください。

→山本:フェイト教授とサンドマンのキャラの入れ替えですね。

→鈴木理:単純にいつもより人数が多いので、前回公演見に来てる人にとってはいつもと違う雰囲気が楽しるんじゃないかと思います。

→山本:そうだね。かと言って、今回が初めての人でも楽しめるようにはなってるので皆さんに楽しんで頂けると思います。

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汽水域『SANDMAN Rising』

作・演出:柿沼岳志
会場:七ツ寺共同スタジオ
日時:2014年3月27日(木)~29日(土)
出演:鈴木理恵子・山本深晴・髙橋七海・岩田真愛(劇団バッカスの水族館)

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http://kisuiiki.jimdo.com/

[写真・文:岩田真愛]