この度、第77回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、サンダンス映画祭でも高い評価を得た話題作『グッドワン』(原題:GOOD ONE)が2026年1月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国公開。本リリースでは、舞台となったキャッツキル山地での新たな場面写真を解禁するとともに、カンヌ国際映画祭監督週間、サンダンス映画祭をはじめ世界の映画祭で絶賛された本作への海外批評家からのコメントをお届けいたします。
『レディ・バード』『アフターサン』に続く、新世代が映す成長譚
誰もが通過する、大人になることの喪失感と希望を表現した忘れがたいひと夏の物語。
17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。几帳面で支配的な父、人生に行き詰まる友人、そして二人のあいだで静かに空気を読み続ける娘。穏やかな自然の中で繰り広げられるささやかな会話と沈黙の時間のなかで、サムは“大人の不完全さ”に気づき、自分の内に芽生える違和感と向き合っていく――。
主人公のサムを演じるリリー・コリアスは、本作で映画初主演を果たし、その繊細な存在感で一躍注目の若手俳優に。サムの父・クリスを『ドラッグストア・カウボーイ』『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』のジェームズ・レグロス、父の友人マットを「プリズン・ブレイク」のダニー・マッカーシーが演じ、リアリティあふれる演技で作品に深みを与える。監督は、ケリー・ライカートやグレタ・ガーウィグの系譜に連なる新世代の才能、インディア・ドナルドソン。本作が長編監督デビューながら、カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、サンダンス映画祭でも審査員賞候補となるなど、国際的に高く評価された。名匠ロジャー・ドナルドソン監督の娘としても知られる。音楽を担当するのは、ロサンゼルスのマルチメディア・アーティスト、セリア・ホランダー。余白を残したサウンドスケープが、登場人物たちの感情をそっと包み込む。そして、自然光を生かした映像が、キャッツキル山地の静寂と、サムの心の揺らぎを美しく重ね合わせ、誰もが通過する大人になることの喪失感と希望を表している。
サンダンス、カンヌで快挙!批評家支持率98%、世界が絶賛する長編デビュー作
海外批評家が称賛する「繊細な演出」と「力強い視点」
本作は1月、第40回サンダンス映画祭U.S.ドラマティック・コンペティション部門でワールドプレミア上映され、審査員賞候補となるなど、その親密な視線と静かな緊張感に満ちた演出が早くも批評家の注目を集めた。続く同年5月には、第77回カンヌ国際映画祭「監督週間(Directors’ Fortnight / Quinzaine des Cinéastes)」部門に正式招待され、世界のスクリーンで初めて披露。監督週間は新たな才能の発掘で知られる部門で、今年開催された第78回カンヌ国際映画祭で、李相日監督作『国宝』が選出されたことでも知られる。本作はアメリカから選出された4作品のうちの1本として上映。インディア・ドナルドソン監督にとって初の長編作品でありながら、カメラドール(新人監督賞)の候補に名を連ねる快挙を達成した。
カンヌでの上映以降、本作は世界各国で高い評価を獲得し、第96回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞(2024年)では新人監督賞(Best Directorial Debut)を受賞。さらに同賞の「トップ10インディペンデント映画(Top 10 Independent Films)」にも選出された。その後も、シャンゼリゼ映画祭ではアメリカ独立長編映画部門グランプリを受賞し、アメリカ最大の映画レビューサイトRotten Tomatoesでは批評家支持率98%(平均8.2/10)を獲得するなど、批評面でも圧倒的な支持を獲得。(2024年12月現在)
Varietyでは、本作が「親と子のあいだで揺れる力関係を繊細に描き出した作品」として評価されており、IndieWireでも「軽やかさと自信に満ちたデビュー作」として好意的に取り上げられている。また The Hollywood Reporterでも、ドナルドソン監督と主演リリー・コリアスの表現力に注目が集まり、「静かな余白に力強さが宿るデビュー作」として紹介されている。
また、本作の舞台となったキャッツキル山地でのシーンを捉えた新場面写真を解禁。マンハッタンから車でおよそ2時間、480km以上のトレイルが整備され、豊かな自然が広がるこの地で、クリス、マット、サムの3人は2泊3日、1日13~14キロを歩くキャンプ旅行へ。川沿いの岩に転がるサムの表情、テントの横のタープの下でカードゲームをしているシーン、静かな湖畔でのひとときや積み上げられた石──刻々と表情を変える山々の光は、少女の内面の揺らぎと呼応するかのように捉えられ、物語に深い奥行きを添えている。また打って変わって、サムとガールフレンドが部屋でくつろぐ場面では、17歳の少女らしい一面も垣間見える。
■STORY
17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。二人の男たちは、旅路の間、長年のわだかまりをぶつけ合いながらも、ゆるやかにじゃれ合う。年齢以上に聡明なサムは、彼らの小競り合いに半ば呆れつつも、聞き役、世話役を全面的に引き受ける。しかし、男たちの行動によってサムの“大人への信頼”が裏切られたとき、サムと父は“親子の絆が揺らぐ瞬間”を迎えることになる。
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『グッドワン』
1月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督・脚本:インディア・ドナルドソン
出演:リリー・コリアス ジェームズ・レグロス ダニー・マッカーシー
2024年/アメリカ/英語/89分/2.00:1/5.1ch/カラー/原題:Good One/日本語字幕:堀上香/提供:スターキャット/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
公式サイト:https://cinema.starcat.co.jp/goodone/ 公式X:@goodone0116






