妄烈キネマレコード『おねがい!カイロス』

妄烈キネマレコード『おねがい!カイロス』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

稽古場は見学者もあったりと、相変わらずの和気あいあいとした楽しげな雰囲気で、この日は特定のシーンを時間を掛けて繰り返していました。何度も何度も繰り返しつつ、話し合いをし、また繰り返すということが行われていました。

これまでの妄烈キネマレコードではあまり観られなかった稽古風景でしたが、劇団の皆さんのお話のように、丁寧に慎重に作っているというのが非常に伝わる光景でした。

今回は劇団の特徴でもあるワンシチュエーションから離れた話を書かれているそうです。その辺の新たな試みにも期待が膨らみます。

●西尾武さん(作・演出)、中村繁之さん(出演)の話

今回の台本を書こうと思われたきっかけがもしあれば教えてください。

→西尾武さん(以下西尾):今回は『G/Pitチャレンジフェスティバル』に出す作品なんですけど、賞レースなのでプレッシャーが凄くある訳なんです。それが物凄く怖くてぼくは。それはいつもの公演もそうなんですけど、より明確な目標が出来たからこそ怖いなあって。でも、そのプレッシャーに打ち勝つ為に頑張って新しい話を作らないといけない。そうなった時に将来のことを考えまして。ぼくらはまだ若手でお金がない。将来が凄く不安。将来ちゃんと生活出来るのかってことも考えた。そこでお金がない男の話を書こうと思って。周りに色々な怖いものがある中でどうやって生きていくか。その中で幸せを見つけて、その幸せを信じて生きていくっていうのが人間かなって。

今回の役を演じる上で意識していることがあれば教えてください。

→中村繁之さん(以下中村):今までは脇役だったことが多くて。主役と言えるものもやっているんですけど、ヒロインがいてぼくとか、相方がいてぼくとか、これだけしっかりぼくを中心に話が進むのは初めて。ずっとお客さんがぼくを追っているというような。丁寧にやりつつ、これまで脇役でやっていたものを出しつつって感じです。あとはお客様を飽きさせないようにするにはどうしたらいいのかってことを今回は凄く考えています。

今回の演出で考えていること、やってみたいことがあれば教えてください。

→西尾:今まで妄烈キネマレコードで書いてきた作品って、固定の場所で行われるものが多かった。今回はそれに加えて外の世界との関わりの話。

→中村:引きこもりから脱したと(笑)。

→西尾:その辺がいつもと全然違う。また、これまで以上に全部の役に対して慎重に作っていますね。楽しんでいるところにプラスして負荷を掛ける。キャラクターとしての負荷を掛けながら生きる。いつもよりも更に要求していますね。

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妄烈キネマレコード『おねがい!カイロス』

作・演出:西尾武
会場:G/Pit
日時:2014年2月27日(木)~3月2日(日)
出演:中村繁之・藤崎アンジェ・澤井しおり(以上、妄烈キネマレコード)・久具巨林(金星ロケット)・名倉しおり・奥村健一・相羽広大(劇団バッカスの水族館)・内山ネコ(劇的ショウゲキジョウ)

詳細はこちら
http://kinema-record.com/