劇団B級遊撃隊『不都合な王子』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
今回はオスカー・ワイルドの『幸福な王子』を題材にされたということですが、佃さん本人も言うようにアングラ的な要素も入っているそうで、演出や演技にもこれまでB級遊撃隊では見たことないようなものがちりばめられていて、とても新鮮な気持ちで見ることが出来ました。
コメディー要素も時折入っており、若い方から年配の方まで観られる作品になっているようです。
●佃典彦さん(作・出演)、鈴木理恵子さん(出演)の話
――何故『幸福な王子』を土台にしようと思われたのでしょうか。
佃:うりんこさんからグリム童話で一本書いて欲しいという話があって、童話集を送ってきたんですけど、その中に入っていて。結局無くなってしまいましたが。更に遡ると、最初に観たお芝居が大学の1年で、状況劇場の『新二都物語』だったんです。唐十郎さんの。それで本が売られていたので買ったんですが、そこに併録されている『鉛の心臓』を読んだらチンプンカンプンで。でも鉛の心臓というくらいだから、幸福な王子を題材にしている本だったんです。それから自分も幸福な王子を書いてみたいなというのはあって。そこでうりんこから送られてきた童話集を読み、改めて思い出して書いてみようと。
――『幸福な王子と森昌子の名曲をミキシングした』とありますが、どういう経緯でそのようなことになったのでしょうか。
佃典彦さん(以下佃):幸福な王子にツバメが出てくるじゃないですか。王子の銅像があって、ツバメが不幸な人にサファイアの目を持っていったり、そんなことをしているうちに南方に帰れなくなっちゃって、そこで冬を越して死ぬんですけど、それってそのまま『越冬つばめ』なので。
――佃さんと同じ空間で稽古を進めることで、役者として影響を受けたり、感じたりするものはありますか。
鈴木理恵子さん(以下鈴木):代役で一緒にやってくれたことが何度かあるんですけど、凄く引っ張ってくれてるなと思います。素直に凄いなと思いました。普段をあまり知らないんですけど、芯があるなと思います。普段からひょろひょろしてるというかフラフラしてるというか、でもそこにきちんと芯がある感じです。
――今回の座組に於いて個人的に気を付けていることはありますか。
鈴木:一番若いので、若いという自覚を持ってやってます。若いなって毎回思います。
――今作の見所を教えてください。
鈴木:1回の公演で肉まんを4つ食べますので、そこを観てください。
佃:台本上でいくと、いつもよりもアングラ劇っぽい。その辺が役者も演出も苦労している所だとは思いますし、見所ですね。アングラと状況劇場とチェーホフ。その辺の融合の仕方を観て頂けたらと思います。
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劇団B級遊撃隊『不都合な王子』
作:佃典彦
演出:神谷尚吾
会場:千種文化小劇場
日時:2017年11月18日(土)~19日(日)
出演: 佃典彦、山口未知、徳留久佳、まどか園太夫、大脇ぱんだ、梅宮さおり、三井田明日香(以上、劇団B級遊撃隊)、鈴木理恵子