パズル星団『パパ・ユートピア』

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パズル星団『パパ・ユートピア』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

今回はこれまでと大きく変わり、コメディーの長編ということです。これまで暗いイメージの作品が多い印象でしたが、今回は稽古場でも楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。

これまでちょい役が多かった井川さんがメインキャストとなるということもあり、パズル星団の新たな一面が見られるかもしれません。

●高倉麻耶さん(作・演出)、井川雅人さん(出演)の話

――今回の作品を書こうと思われたきっかけを教えてください。

高倉麻耶さん(以下高倉):元々第四回公演『いのちのピース』で、自分だけで書くのではなくエチュードから生まれたものをコメディーの短編で上演したのですが、なかなか面白いものが出来てお客さんの受けも良かったので、第六回公演でその形式で長編をやってみようと言ったら皆も乗り気だったのでそのようになりました。

――パズル星団は暗めの作品が多いイメージなのですが、心境の変化があったということではなく。

高倉:単純に稽古が楽しかったからです。エチュードも落ちをうまく作れれば凄く面白いですし、稽古場だけで終わるのはもったいないと思いました。なので当書きで長編を一本書いてみようと思いました。最初の設定としては『お父さんが娘の宝くじ当選金を持逃げする』という所までしか決まっていなかったんですけど、それがエチュードでやってみて、残された娘とその恋人が二人でやったらどうなるかみたいな。

――稽古のやり方自体はこれまでと変わってきているのでしょうか。

井川雅人さん(以下井川):本が出来るまでにコメディーとして落ちの作り方を考えてくださいというリクエストはありましたが、それ以外はこれまでとあまり変わらない稽古です。

――コメディー作品で役を演じる上で気をつけていることはありますか。

井川:基本的に高倉さんは当書きをされるので、自分らしさが外れそうな時に「あなたらしい役の作り方ではない」と駄目出しを受けることはありますが、そんなに変わりません。ただ明るさや話の持っていき方がこれまでと違うので、そういう所はしっかり捉えようと思っています。自分の中での方向性は大きく変えず、ブレずにいこうと思っています。

――今作の演出で気を付けていることはありますか。

高倉:人と人との間。接触の感覚です。間の取り方であったり呼吸だったり相手との距離の測り方だったり、鋭敏に感覚を持っていきたかったので、コンタクトインプロビゼーション、ダンスの手法を習いにいって、稽古場で身体を動かしながら感覚を養うという稽古をやっていました。

井川:それをやってみて、相手の台詞への反応が変わってきた印象はあります。自分の中でちょっとしたきっかけになったかと思います。

――最後に一言お願いします。

井川:高倉さんの作品は人の愛情というものが毎回見えてくるのですが、今回も見られる作品になっていますし、今回初めてメインキャスト的な役を充てられたので、期待に応えられるように頑張りたいなと思います。これまでちょっとしか出て来なかったので。去年から始まった劇中アドリブもあります。全力でぶつかっていきます。

高倉:何故か自由に書くと家族の話になってしまうのですが、家族の中の情だけではなく、恋愛的要素であったりするところに今思っている想いを台詞に練り込んだので、それを感じて貰えればと思います。

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パズル星団『パパ・ユートピア』

作・演出:高倉麻耶
会場:G/PIT
日時:2017年10月6日(金)~8日(日)
出演:玉川裕士、井川雅人、高倉麻耶、美鈴みかん(舞夢プロ)、榊原愛(ひつじの森のよつば村)、若様、川元麻友美(愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」)、橋山直人

詳細はこちら
https://ameblo.jp/puzzleseidan/