愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」『わたしだけへの唄』

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愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」『わたしだけへの唄』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

賑やかな雰囲気の稽古場ではありましたが、一方で作品はとてもセンシティブな内容を扱うようで、若い役者さんたちが真剣な眼差しで稽古に取り組む姿が沢山見られました。

物語はもちろんのこと、トリッキーな演出や、役者ひとつひとつの動き、その辺にも注目して欲しいとのことでした。

●潜木遊さん(作・演出)、朝比奈真由美さん、下地夢さん(出演)の話

――今回の作品を書こうと思われたきっかけを教えてください。

潜木遊さん(以下潜木):自分は学校でジェンダーとよく言われていて、でも人が誰を好きになるかは周りがとやかく言う必要あるのかなと思って。その人はその人だし、自分は自分だし。

――今回の役を演じる上でこだわっている点はありますか。

朝比奈真由美さん(以下朝比奈):作中で下地さんに心を開いていくんですけど、最初は声も出ないのが段々と心を開いて皆の輪にも入れるようになっていく役なんです。だから最初の馴染めていない役と馴染めてからの役を変えるようにしています。

下地夢さん(以下下地):わたしの役はクラスに馴染んでいる訳ではないんですけど、ヒエラルキーが高めなので、その異質さというか、周りに埋もれない感じにしたいなと思っていて。また、朝比奈さんの役への執着とか、人間らしさも見せられたらいいなと思います。

――潜木さんの演出の特徴を教えてください。

朝比奈:自分が思うような役を演じてみて、という感じです。

下地:動きや形を凄く提示してくれます。心情は役者の方で考えることが出来ます。

――演出上でこだわっている点はありますか。

潜木:一人存在しているんですけど、役者がいないんです。架空の人物。役者にとってはいるんですけど、お客様にとってはいない。その辺の面白みを感じて欲しいなと思います。

――今作の見所を教えてください。

潜木:一瞬一瞬の動きを凄く観て欲しいなと思います。

朝比奈:わたしの役はあることがきっかけで暗くなってしまうんですけど、下地さんの役と架空の人物がわたしを変えていくキーになるので、そこを観て欲しいなと思います。

下地:お客さんがどれだけ共感出来るかは分からないんですけど、観ていて苦しくなるような作品だと思いますので、そこをお客さんなりに感じて受け止めてくれればと思っています。

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愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」『わたしだけへの唄』

作・演出:潜木遊
会場:ナンジャーレ
日時:2017年9月8日(金)~10日(日)
出演:朝比奈真由美、下地夢、和田奈那、城所見帆、おこさまぽてと、安藤洸洋、たちばな

詳細はこちら
http://www.geocities.jp/tsukikani/