妖帝デカダンス『妖かしの宵祭り』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
今回は正式な旗揚げ前の『コンセプト・ライブ』という位置付けのようです。ゲストも多彩で、その内容に関してもかなり色々な趣向を用意して臨まれているようです。
稽古場は真面目な方が多く、代表の真宮さんを中心に、非常に和やかに進行していました。
アングラな香りのする今回の芝居、どのような形になっていくのか、とても興味深いです。
●真宮広義さん(作・演出)、中友真矢さん(出演)の話
今回の『コンセプト・ライブ』というものがどういうものなのか教えてください。
→真宮広義さん(以下真宮):名古屋で無いようなもの、アングラ的なものって名古屋では少ないなと思って。そこにもう少し娯楽を盛り込んだスタイルのものをやろうと思った時に、それをいきなり旗揚げでポンとやったところで、たぶんお客さんには伝わらないと思ったんです。なので説明したいなと。お客さんがどう思うのかを知りたい。雑誌とかで言う創刊前のパンフレットみたいなものを舞台版でやりたいなと思って。敢えてライブハウスを借りて、プレの前の発表会をしようと。ライブハウスでやるし、わりかしショーのイメージが大きいので、ライブと言っています。今回2ステージあるんですけど、ステージによって話の内容も変わっています。両方観ると全体の繋がりが分かるようになっていますが、1ステージだけでも楽しめるようにしています。
『見世物』というものがチラシにありますが、これはライブに置いてどのような位置付けなのでしょうか。
→真宮:ゲスト の方にはテーマをお渡ししているので、最初と最後の部分を物語につなげ、そのテーマに沿って表現して頂く。それを物語のシチュエーションの中に盛り込んでいます。言ってしまえば、物語があって、その物語の横にあるものをクローズアップするスタイル。昔、『タンポポ』という映画があったんですけど、伊丹十三の。あれって、キャラクターの主流の話があるんだけど、その間に、横を通り過ぎた人をクローズアップして、フランス料理やスパゲッティの話をする。本筋と関係ないことをやってるんだけど、『食』というテーマでは繋がっている。あのスタイルが一番近いかな。
今回の演出でやりたいこと、気を付けていることがあれば教えてください。
→真宮:今回は『昭和デカダンス』というテーマでやっているので、昭和の匂いを出したい。その物語の舞台自体も『ネオ昭和』という、平成ではなく、昭和がもしずっと続いていたらというもの。昭和が堕落していった状況化で起こる事件。その匂いを極力残しながらも、観やすく、ダサ過ぎないように。ダサいところは面白くダサくしたいなと。
→中友:じゃあそろそろ昭和感を出します(笑)。
→真宮:例えば、銃の構えも脇を締めて構えるとか、絶対今の映画じゃやらない。知っている人は懐かしいし、知らない人は新しいものを観るような感じで観れると思います。
+++++
妖帝デカダンス『妖かしの宵祭り』
脚本・演出:真宮広義
会場:NAGOYA TAURUS
日時:昭和八拾八年霜月弐拾四の日 日曜日(2013年11月24日)
出演:佐藤誠(演劇集団Cブレンド)・いちやまん(自由人)・飛田奈津(そこつなかん)・中友真矢・熊澤健史・他ゲスト多数