オイスターズ『劇玉Ⅲ』

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オイスターズ『劇玉Ⅲ』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

今回は短編集ということで6作品を一気に上演されるということですが、この日は『ゴドー氏の仕事』の稽古でした。

本番も近付いているということで冒頭から一気に演出を付けていく光景が見られましたが、馴染みの役者が多いだけあってその対応力の早さに驚きました。ここ数年ほとんど休み無く公演を続けているだけあって、程よい緊張感の中で素早く作品を作り上げていく劇団の手腕を垣間みることが出来た気がします。

オイスターズの短編を一気に観劇が出来る今回の企画、ファンはもちろん、これまで馴染みが無かった人も入門編として楽しめそうです。

●平塚直隆さん(作・演出)、澤村一間さん(出演)の話

――1回目の劇玉(2009年)からだいぶ期間が空いての2回目(2014年)、3回目(2015年)となっていますが、改めて劇玉をやろうと思われた理由は何かあるのでしょうか。

平塚直隆さん(以下平塚):『劇王』が終わったからかな。時期的にも空きがあったし。あとはツアーが多くなって来ていて、名古屋だけでやる公演というのが少なくなったんです。劇団員で名古屋にしか出られない人もいるから、その人達の為に作ったんです。

――今回は短編と中編を中心にした企画ですが、作品の選定はどのようにされているのでしょうか。

平塚:前回のは劇王作品で揃えてやっていて、今回は俺の中のストック。もうそろそろ打ち止めだけど(笑)。あと新作は毎回入れるようにしています。

――上演作品数も多く、それに伴って出演者もかなり多い企画ですが、客演の方々は普段呼ばれない方を中心にされているのでしょうか。

平塚:そうそう。ツアーに連れて行くってなると拘束しちゃうので、そういう所で呼べないような方。短い稽古でも大丈夫な方を。まず作品を選んで劇団員で配役を埋めていって、劇団員では出来ないような役を客演の方にお願いします。

――『ゴドー氏の仕事』について、何度も上演をされている作品ですが、これまでと変えている所はあるのでしょうか。

平塚:全く無い。一回男だけでやってみたいなとは思っていました。前に俳優館でやった時は女ばかりでしたので。

――平塚さんの台本や演出の特徴を教えてください。

澤村一間さん:客演は初めてなのですが、見た目以上にシャープだなというか。観ている時はゆるい会話劇かなと思ったのですが、稽古場に入るときっちり発語しないと喋れないなと感じました。演出に関しては、やってる時はどんどん追いつめられていくんですけど、外から見るとどんどん面白くなってるんだろうなという想像をしています。他の方のシーンを見ているとそんな感じなので。

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オイスターズ『劇玉Ⅲ』

作・演出:平塚直隆
会場:損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール
日時:2015年7月9日 (木)~12日 (日)

詳細はこちら
http://www.geocities.jp/theatrical_unit_oysters/top.html