星の女子さん『カナドール』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
3部作の最後の作品となります。これまでの2作品もそれぞれ特徴的でありましたが、今作はそのどれとも違う会話中心の演出になっているそうです。
稽古場は非常に和やかな雰囲気で、演出の渡山さんを中心に丁寧に会話の確認を繰り返していました。
3人の女優をそれぞれメインとした連作の最後ということで、劇団としての結束も強いものが感じられました。
●渡山博崇さん(作・演出)、棚橋愛さん(出演)の話
——3部作の1作目が『ホラー』、2作目が『歌と踊り』、そして3作目はどのような演出を考えておられるのでしょうか。
渡山博崇さん(以下渡山):今回はなるべく日常的な会話劇をやりたくて、コンセプトとしては小津安二郎の映画プラス、ナンセンス喜劇。果たしてそれがうまく組合わさるのかどうか。そして今のところは良さそうです。
——これまで連作でやってこられましたが、そのことで得られたものはありますか。
渡山:ある程度登場人物が共通しつつそれぞれ違うジャンルの作品をやる中で、共通するテイストみたいなのがあって。それはぼくだけじゃなく役者の中にもあって、それが星の女子さんの核みたいなものなのかなという手応えがあった。今回はそれが結実した作品になると思います。星の女子さんはこういう芝居をするんだという劇団としての力が付いてきたのかなと思います。
——渡山さんの演出の特徴はありますか。
棚橋愛(以下棚橋):渡山さんのビジョンがはっきりしているので、分かりやすいですね。細かく糸の一本一本をずらしていく感じです。と思ったら、突然アグレッシブに動いて表現してくださったり…謎ですね。
——今回の役を演じる上で意識していることはありますか。
棚橋:わたしの人生の中でも初めましてみたいな役なので、新たなわたしが生まれたらいいなと思います。
——見所を教えてください。
渡山:女性7人を集めて、男が出ない芝居とはこうなるのかと(笑)。でもそこはかとなく男性の気配は漂っています。女性が男性をどう見ているのか。なんでもない台詞でもそのキャラクターの歴史が見えてくるので、その機微を楽しんで頂ければと思います。
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星の女子さん『カナドール』
作・演出:渡山博崇
会場:七ツ寺共同スタジオ
日時:2015年2月27日(金)〜3月1日(日)
出演:棚橋愛・岡本理沙・鈴木亜由子(以上、星の女子さん)・長嶋千恵(劇団B級遊撃隊)・今枝千恵子(眼鏡倶楽部)・ひのみもく(少年王者舘)・咲田とばこ(劇団ジャブジャブサーキット)
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