ゲボゲボvs孤独部『6ヶ月連続公演(最終回)』の稽古にお邪魔させて頂きました。
これは6ヶ月の間、2劇団が短編を出し合って毎月対決する、という演劇ではちょっと変わった企画です。
毎月作品を上演するということで、両劇団ともそれなりの苦労はあったようですが、元々仲の良い劇団同士ということもあり、非常に良い雰囲気で続けてこられたようです。
6ヶ月公演の締めくくり、お互いにどのような成長、作品を見せてくれるのでしょうか。
●右角81さん(ゲボゲボ)、かしやましげみつさん(孤独部)の話
6ヶ月連続公演ということで、毎月短編作品を作ってこられたということですが、演劇人として変化した部分はありましたか。
→右角81さん(以下右角):作家性が生まれた気がしますね。書きたいことが出て来た。これまでは形ばかりしか見ていなかったんですけど、内容にも目を向けるようになった。1回目と比べると、自分のメッセージが入るようになりました。そこが一番大きいですね。ネタ自体は2回目くらいから尽きてきたんですけど。もう嫌だ、やることないよって(笑)。でも今月なにやろうかってところから始まって、このテーマならこういうこと言いたいな、とか、かなり自分の言いたいことが出て来た。
→かしやましげみつさん(以下かしやま):この6ヶ月は変にテーマを定めずに素直な作品を作り続けようと思って、ある程度のところまでいけたと思ったんですけど、6ヶ月繰り返すうちに、「まだ素直になれる余地があるんだ」と思うようになった。皮を剥いたらまた皮があったという感じ。だいぶ素直にやりたいことを曝け出せるようになりました。
『vs』ということで続けてこられましたが、仲が悪くなるようなことはありませんでしたか。
→右角:そこは全然ないですね。勝ち負けは二の次で、企画として面白いからやっただけで、むしろ仲良くなりましたね。お互い大好きみたいで(笑)。かしやま君はぼくにないものを持っているので憧れるし、かしやま君もそう言ってくれます。毎回かしやま君の作品の影響を受けています。6回もやってると、先月の孤独部と似てしまったりとか(笑)。
→かしやま:打ち上げで毎回褒め合ってました(笑)。目指すところは同じなんだけど、やってることは真逆。影響受けてるところとかも凄く似てるんです。あと、この企画は順当に行けばゲボゲボが勝つと思っていて、それを孤独部のマイナー感でどう対抗するのか、試行錯誤しましたね。
今後もこういう企画はやっていきますか。
→右角:今回はぼくらがメインになっているんですけど、呼びたいところを呼べるようになるとイベンターとして面白いですよね。自分の好きなところを集めて、「これどうだ」っていうのは凄く魅力的。
→かしやま:対バン形式は好きなので、この企画は凄く良かった。また多くの人とやっていきたいですね。単独だと発表会になってしまうので、全くぼくらのことを知らない人々に観てもらう機会というのは本当に大事だと思いました。
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ゲボゲボvs孤独部『6ヶ月連続公演(最終回)』
会場:ナンジャーレ
日時:2012.11.29(木)~30(金)
●ゲボゲボ『ゆめゆめぼくとせかいときみと』
作・演出:右角81
出演: 澤井しおり・田中みな(ゲボゲボ)・棚橋愛・中村繁之(妄烈キネマレコード)・藤崎アンジェ(妄烈キネマレコード)・三浦寛之(スイッチ/タウン)・山本大介(スイッチ/タウン)・ほか
●孤独部『晩秋』
かしやましげみつ・吉村桜子