俳優館『アラビアン・ナイト』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
今作品は50人以上の出演者がいるということで、稽古場は物凄い賑わいを見せていました。
この日はダンス稽古を中心としていましたが、これだけの人数で行うダンスは非常に迫力があり、それだけでも見応えがある作品になりそうです。
また、今回は作中にアクションも取り入れているということで、これまでの俳優館のミュージカルとはまた違った作品が楽しめそうです。
●ほりみかさん(演出・振付)の話
今作品はこれまで以上に人数が多く、そのような座組をまとめる上での苦労点等があれば教えてください。
→ほりみかさん(以下ほり):今回は男性の群舞をやりたかったのでたくさん人を集めました。でも稽古場が狭いのでここに五十何人入るともう身動きが取れないんです(笑)。それが一番の苦労ですね。稽古場をあっちこっち点々としていて、一宮や小牧にも行っています。電車で行ったり乗り合わせて行ったり。ただ、おかげ様で集まりが非常にいいので、人数が多い割に皆出席してくれるので稽古は非常にしやすいです。
原作がある作品に演出を付ける上で気を付けていることはありますか。
→ほり:前に『はだしのゲン』をやった時には漫画がありましたので主人公のイメージは意識したんですけど、去年の『世界どうぶつ会議』みたいな作品はイメージはどうとでも作れるし、今回はオリジナル部分もあるので、そこにはあまりとらわれないようにしています。『千夜一夜物語』って元々が語られていた話を本にしたものなので、本当はこの話は入っていないのではないか、というものまで入っていたりもするそうです。なのであまり気にしていないです。また、中国の話があったりインドの話があったりと色々なので、国さえも何処って限定しなくていいんじゃないかと思っています。
演出をされる上で取り組んでいることはありますか。
→ほり:俳優館の作品では今までに無かったアクションを取り入れています。作家である児玉俊介さんがアクションを付けてくださっています。だからそういうダイナミックさを出せたらと思っています。誰にでも楽しめる作品ですが、特に男の人は好きそうなお話だと思います。
●長浦恵さん(出演)の話
今回の役を演じる上で取り組んでいること、気を付けていること等があれば教えてください。
→長浦恵さん:アラビアン・ナイトで皆さん知っているのが『アリババと40人の盗賊』だとか『アラジン』だとか、ヒーローが居てヒロインが居てという話だと思います。ただ、アラビアン・ナイトをやろうとなった時に、本来メインにいるのは暴君と大臣の娘で、これまであまりピックアップされない存在だったんです。だから最初にイメージするものが何も無かったんですね。皆が知っているイメージがあればそれを壊すかどうかという話になるんですけど、全く新しく作っていくというところは難航していますね。ただ、妹役がいるので、二人の違いが出せるように考えています。あとは、最近流行った某映画とちょっとだけ似ているんですね。やっぱり強い女性が出て来る。だからそれに似てしまわないようには気を付けています。結果似てしまってもいいんですけど、それをお手本にするのだけはやめようと。あとは一番最後に民衆を率いるポジションになる為、ヒロインなんだけれど英雄というイメージを持っています。だから少しだけジャンヌ・ダルクを意識しました。
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俳優館『アラビアン・ナイト』
脚本:児玉俊介
演出・振付:ほりみか
音楽:雨宮賢明
会場:名古屋市芸術創造センター
日時:2014年8月22日(金)~24日(日)
詳細はこちら
http://www.hi-you-can.com/