マイヤ『返されなかった青春』

マイヤ『返されなかった青春』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

朗読を主体に活動するマイヤ。稽古場では厳しく、丁寧に稽古を積み重ねている現場を見ることが出来ました。

また、作品の内容を踏まえ、出演陣にもいつも以上に色々な思いがあって演じられているのが分かりました。

世代によって感じる所は違うと思いますが、観る者の心に何かしら残る作品になると感じました。

●北村ふみさん、真木くみ子さん(朗読)の話

――今回この作品をやろうと思われた経緯を教えてください。

北村ふみさん(以下北村):榊原さんが、私達に合うのではと選んでくださいました。年齢的にもちょうどぴったりの作品。ある選択をした女の人生を描いています。私は、人生はあみだくじだと思っています。選択がひとつ違うだけで全然違う人生になる。私達もこれから選択を続けていくと思うのですが、若い方はこれからさらに、色々な選択をする。なので、若い方にも観て頂きたい。そういう選択をして、そういう生き方をすることもあるんだなって。

真木くみ子さん(以下真木):この登場人物は若い時に貸した歳を、歳がいってから返して貰おうとするんですが、その話を聞くと女性は皆シーンとなりますね。

北村:榊原さんが男を演じ、女は作品の中では一人しか登場しないんですけれど、女には複雑な感情があって、それらを二人で分けて演じています。個性も体型も全く違う二人ですが、その二人が一人の女を演じる面白さはあると思います。

――実際に演じてみて、共感する所、難しい所があれば教えてください。

北村:この作品には『醜い』って言葉が結構出てくるんです。最初は抵抗を感じました。でも、加齢対する葛藤と混乱を赤裸々に語る女を、お稽古を続けるうちに、いとおしく感じられるようになりました。それが現実だから、作品の中で言葉がちゃんと生きている。自分のちっぽけな感情に流されず、「言の葉」をどう伝えていくかを試行錯誤しています。

――作品の見所を教えてください。

真木:今回程、来てくださった方々が感じたことをどう友達と話し合うか気になる作品はありませんし、また、話し合って欲しい。色々な思いがあるでしょうから、それをいっぱい話し合ってくれたら。またそれらを聞いてみたいです。

北村:若い方にも観て欲しいですね。お母さんにはお母さんの、おばあちゃんにはおばあちゃんの思いがあるってことを知って欲しい。女性としての葛藤や情熱がある。お母さんもおばあちゃんも、「女」なんですよ(笑)。

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マイヤ『返されなかった青春』

会場:メニコンANNEX HITOMIホール
日時:2020年3月6日(金)
朗読:北村ふみ、真木くみ子、榊原忠美

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