くじら座なごや『あしたの空地で会いましょう』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
愛媛出身の利藤さんが、愛媛で活動する越智優さんの作品を上演する為に名古屋で立ち上げた団体です。
ゴールデンウィーク真っ最中ということもあってか、集中して稽古する風景が見られました。
何かに付けて首都寄りになる昨今、地方から生まれるパワーに着目したいと思います。
●りとうさきさん(代表、出演)の話
――くじら座なごやがどういう団体なのか教えてください。
利藤早紀さん(以下利藤):わたしの高校の時の恩師に当たるんですけど、今も愛媛で活動している越智優の作品を名古屋で上演する為に作った団体です。
――越智さんの作品の中で今作を選んだ理由を教えてください。
利藤:前回は『七人の部長』をやりました。越智優と言えば七人の部長で人気度も高いんですけど、今作は2015年の作品で高校以外では上演されていないので選びました。それと、大学生の時に卒論で高校演劇について書いてるんですけど、そこで今作を作っている高校生や先生を取材に行ったんです。そういう所での思い入れもあったと思います。
――越智さんの作品の魅力はどこに感じますか。
利藤:基本的にわたしはコメディが好きなんです。練習してて楽しいとか、観てて楽しいのが好きで。越智さんの作品は基本コメディで、そこに現実的な視点が入ってきてホロっときたり考えさせられたりします。
――今作の見所を教えてください。
利藤:自分が大学生の時に取材した作品とは全く違うものになっています。これは多分わたし一人だったら原作に忠実に、高校生と同じようにしか作っていなかったと思うんです。けど、演出の台越さんや役者さんからの意見で考え直すことが多々あって。取材に行った高校生の子達も来てくれますし、同じ本だけどこんな視点もあるんだって思って貰えたら。
●台越竜太郎さん(演出)の話
――最初に演出を依頼されて、本を読んでみて感じたことはありましたか。
台越竜太郎さん(以下台越):普段は本を書いていますし、演出を受けること自体が初めてなので最初はお断りしていました。でも本を読んだ時にこういう風にしたら面白いんじゃないかと思うというイメージが湧いたので、それを伝えた上で受けることにしました。
――演出上で気を付けていることがあれば教えてください。
台越:無い、ですね。演出だけじゃなくて色々やってみたいというのが最初にありましたし、役者からこうしたいという案も色々頂きますので、それを自分のアイデアとして(笑)。また、今回の本は舞台論として読ませて頂いている部分もありまして、社会人でも芝居をやっている舞台人論というか、そういう所が強いです。一般に向けていないという訳では決してないのですが、社会人をやっている人の方がより響くんじゃないかなと思っています。
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くじら座なごや『あしたの空地で会いましょう』
作:越智優
潤色/演出:台越竜太郎(風土の端のスクルット)
会場:ユースクエアプレイルーム
日時:2019年5月25日(土)~26日(日)