楽演SUDAKU5.5『ドラキュラ伯爵の秋』

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楽演SUDAKU5.5『ドラキュラ伯爵の秋』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

小熊ヒデジさんが毎年開催されている『初心者の為の演劇教室』の卒業生たちが集まったユニットということで、演出も小熊さんがされています。

1年間ずっと一緒にやって来たメンバーだけあり、とても雰囲気の良い稽古場でした。

今回は別役実さんの本に挑戦するということで、どのように立体化していくのかとても楽しみです。

●小熊ヒデジさん(演出)、柏木麻理子さん(出演)の話

――ユニット立ち上げの経緯と劇団名の由来を教えてください。

柏木麻理子さん(以下柏木):初心者の為の演劇教室を1年間やった後、まだ芝居を続けたいという仲間で集まって作ったのが最初です。一緒にやろうよって。『SUDAKU』というのは『集く』という日本語なんです。『5.5』は名古屋演劇教室の5期目人たちがメインで集まって、5期と6期の間に出来たので。

――別役実さんの作品を選ばれた経緯を教えてください。

小熊ヒデジさん(以下小熊):いくつか候補があったんですけど、最終的に彼女(柏木)が持ってきたこれが選ばれました。

柏木:お芝居自体が初心者で台本も読んだことも無く、何が良いとかも分からなく、とにかく手当たり次第読んでみて面白かったものをやろうという感じですね。でも凄く難しいです。最初面白く読んでたんですけど、やってみると凄く難しいです。

――演出上で意識されていること、やってみたいことがあれば教えてください。

小熊:別役さんの本を演出したり出演したりは何度かあるんですけど、今回は真っ向から取り組んでみようかというのがあったかな。別役さんて超有名だし、たくさんやられてる訳だし、独特の世界観はゆるぎないものがあるんですけど、そういったものにあまり負けないようにしようと思ったんですね。正面からぶつかって出来たらねじ伏せたいと思ったんです。ちょっと油断するとよく観る別役さんの作品になってしまうんじゃないかということは危惧しました。もう一歩二歩先へ行けたらなと思っています。独特の言葉の使い方や世界観に甘えずにというのかな。でも言葉を大事にしながら取り組んで、出演している俳優たちの身体と感性を総動員した上でぶつかっていこうという心構えで始めましたね。

――役者として舞台に立つ上で意識されていることはありますか。

柏木:キャラクターを作るということを最近よく小熊さんから言われていて、凄く困っています(笑)。自然体で、自分に近い所でばかりやってきていましたが、今回はキャラクターを確立させていかないといけないというのがあるので。中々役者として日が浅いのでどう作り込んでいけばいいのか難しいです。

――今作の見所を教えてください。

小熊:ワークショップは今年で8年目で、集まるメンバーによって毎年カラーが変わっていて、ここは5期のメンバーが中心なんですけど、5期のメンバーは優秀なんです。他が優秀じゃない訳じゃないんですけど(笑)。ワークショップが終わった時にこのまま劇団に出来たらどんなにいいだろうと毎年のように思うんだけど、それは5期のメンバーにも強く感じました。演劇を続けていって欲しい人たちがたくさん居た。そういう人たちが自分たちでユニットを立ち上げて演劇を続けていくことはとても嬉しいです。この作品をよく選んだなとは思うんだけど(笑)。七転八倒しています皆で。でも手応えはあるんです。若いカンパニーとあまり感じさせないような作品になりそうです。また「別役実さんの芝居ってこうだよね」という人にも「こういう面白がり方もあるのか」と思って貰えたらと思います。

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楽演SUDAKU5.5『ドラキュラ伯爵の秋』

作:別役実
演出:小熊ヒデジ
会場:ナンジャーレ
日時:2015年6月12日(金)~14日(日)
出演:石川朋未・岩田千鶴・大野祥平・柏木麻理子・河口サトー(電光石火一発座)・杉本雅彦(ラバトック)・樋口大輔(トライフル)・宮本浩子

詳細はこちら
http://rakuensudaku55.jimdo.com/