虚構オメガ『星をみるひと』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
今作品はリーディング形式ですが、まずは距離感や実際の状況を把握するために立ち稽古を行っていました。残念ながらリーディングの稽古の様子は見学することができませんでしたが、立ち稽古だけでも作品の魅力は伝わってきました。
立ち稽古では、動きがまったくないわけではありません。その動きをリーディングではどう表現され、どんな作品になるか楽しみです。
●長谷川公次郎さん(作・演出)、宮出貴衣さん、山口柚実さん(出演)の話
——今回の作品を書いたきっかけを教えてください。
長谷川公次郎さん(以下長谷川):2年前に『無限遠点』という視覚障害者の方でも楽しめる作品をやったことがきっかけで、メニコンさんから今回の公演のお話を頂きました。
——久々のリーディング作品だと伺いましたが、いかがですか。
長谷川:長編リーディングは実は初めてです。去年やった『鉄槌』が初めての長編ストレートプレイで、これまでいずれの形態でも短編ばかりやっていたので、リーディングで頭から最後まで1本というのは今回が初めてです。ただ、鉄槌で1回長編自体はやっているので、苦労してなくはないですけど(笑)、一応きちんと書けたとは思っています。
——昔と比べて新たな発見等あれば教えてください。
長谷川:昔は勢いだけで書いていたんですけど、最近は一応それなりに全体を考えながら書けるようになったのかな、という気はします。
——長編リーディングをやってみていかがですか。
宮出貴衣さん(以下宮出):私は前にミソゲキでリーディングをやったことがあったのでなんとなくこういう風な雰囲気でやりたいんだろうなっていうのは分かっていたので、やりやすかったです。
山口柚実さん(以下山口):私は前いた劇団で主にリーディングをやっていたんですけど、その時は立ち稽古とかなくてずっと正座をしながら本を読んでいたので、立ち稽古が今回稽古に取り入れられていて、役同士の距離感が掴みやすくていいなと思いました。
——なにか気をつけていることがあれば教えてください。
宮出:普段のお芝居とあんまり変わらないかな。でも、ちょっとオーバーにしています。普段のお芝居よりは大き目な反応をしたりっていうのは気を付けています。溜め息一つでもお客さんに聞こえないと意味が無いので、大き目に溜め息をついたりしています。
山口:大変勉強になりました(笑)。個人的な話になってしまうんですけど、私は早口になりがちとよく言われるので、できるだけ早口を直すように、と心掛けています。
—— 実際に人生で経験しないようなシーンがいくつかありますが、どのように演じていますか。
宮出:なるべく自分の経験したことがあるものに近づけて演じています。想像出来ないとやれないので、なるべく『自分の身の回りだったらこれが1番近い』っていうのをもう少し大きくしてやってます。
山口:『もし私だったら』という風に考えてイメージを膨らませながら演じています。
宮出:お互い稽古場で喋ったりもしています。「これ、こういうことだよね」とか「自分だったらこうだよね」「あ、それわかる」って話して、お互いの共通認識を持っています。
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虚構オメガ『星をみるひと』
作・演出:長谷川公次郎
会場:メニコンアネックス HITOMIホール
日時:2015年3月14日(土)〜3月15日(日)
出演:宮出貴衣・山口柚実(以上虚構オメガ)・伊藤文乃(オレンヂスタ)・椎葉星亜(劇団んいい)・篠原タイヨヲ(劇団あおきりみかん)・菅沼凌(愛知学院大学演劇部”鯱”)
声楽:蔭山卓司・佐藤綾音・長窪花日
音響:いちろー(廃墟文藝部)
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[写真・文:林采芽]