よこしまブロッコリー×ボンヤリマドグチ『遠い町の話』

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11月下旬に公演を控えているよこしまブロッコリー『遠い町の話』のお話を伺ってきました。

松山の劇団『ボンヤリマドグチ』との共同企画として、名古屋と松山でそれぞれ公演が行われるとのことです。

非常に丁寧な会話劇を毎回見せてくれるよこしまブロッコリーですが、ボンヤリマドグチとのコラボレーションでどのような化学反応を見せるのかとても楽しみです。

●にへいたかひろさん(作・演出・音楽)、榊原耕平さん、早川綾子さん(出演)の話

――『ツナグprojecrt』という企画についてやろうと思われたきっかけと企画意図を教えてください。

にへいたかひろさん(以下にへい):去年松山に行った時に現地の人達に宣伝から集客まで助けて頂きました。県外公演で大体負担となるのが向こうでの制作や土地が分からない中での作業。なのでぼくらのような小さいカンパニーは手を取り合ってやって行く方がいいだろうと。お互いにお客さんをシェアしたり、継続的に続けることでお互いの土地がホームになるようにしたいと思っています。

――1ステージに両劇団の作品が観られるのでしょうか。

にへい:2本立てです。ただせっかくなので共通の何かを持たせたいと。同じニュースが流れて、それぞれの場所で同じ時間に物語が起こる。1話目をボンヤリマドグチさんがやって、2話目をぼくらがやります。あとはスピンオフのリーディング作品もどこかでやりたいと思っています。

――各作品上で『同じニュースが流れる』という設定はどのように決められたのでしょうか。

にへい:離れた場所にぼくたちは居るんですが、同じニュースに影響を受けたり、全然関係無いような話が自分たちに影響を与えていたり。松山と名古屋は300キロ以上離れているんですけど、どこかで繋がっている。そんなことを表せたらなと思います。そうすることで、観ている人により自分の話と受け取って貰えればと思います。

――名古屋と松山、2つの劇場での公演となりますが、演出上意識されていることはありますでしょうか。

にへい:松山は『ヒロヤ画廊』さんという繁華街にある老舗のギャラリーなんですけど、名古屋で『theater MOON』を選んだのは比較的そこと構造が似ているからなんです。ただ会場の雰囲気は違うので、だいぶ印象の違う作品になるんじゃないかと思っています。でも逆にそれが作品の違う面を出してくれると考えています。

――にへいさんの演出の特徴や感じることがあれば教えてください。

榊原耕平さん:言語を理解するのに多少時間が掛かりますね(笑)。ニュアンスを独特の音のままくださるので。あとは真面目に言うと、とても丁寧にワンシーンワンシーン組み立てていく。なんでこうなるかということをちゃんと話し合いしながら進めていく。

早川綾子さん:わたしは客演なので普段からというのは分からないんですけど、とても丁寧に教えてくださりますし、にへいさんの作っている世界観が他の本に比べると比較的イメージしやすかったりします。また今回は役者と作っていきたいと言われていたので、その場面場面でその認識で間違っていないかをしっかりチェックしながら作っています。

――公演の見所を教えてください。

にへい:松山の劇団ってなかなか名古屋で観ることは無いと思うんですけど、東京大阪以外の所にも面白い作品があるということを観て貰いたい。よこしまブロッコリーとしては、『自分の中のどうにもならない自分』というテーマでやっていて、自分の中のコントロール出来ない部分を今回は赤裸裸にやりとりをしています。よこしまの会話劇という面もあるんですけど、どろっとした部分も多いです。そういった面も観て貰えればと思います。

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よこしまブロッコリー×ボンヤリマドグチ『遠い町の話』

第1話「暗い部屋の傾向と対策」作・演出:古田通子
出演:秦夕貴・秦元樹・古田通子
第2話「私の中のガラパゴス」作・演出:にへいたかひろ
出演:鶴田雅弓・榊原耕平・坂崎幸・早川綾子(ブリッジプロモーション)
会場:theater MOON
日時:2014年11月29日(土)~12月1日(月)

詳細はこちら
http://www.yokoshima.info/

[写真:よこしまブロッコリー]