牛乳地獄『穴があったら入りたい』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
今作は劇団初の2都市公演ということです。
これまでもファンタージ色の入った作品を上演されていましたが、特に今回はその傾向が強く出ているようです。また、客演に中内こもるさんを呼ばれたことで新鮮な空気感がそこに生まれているのが印象的でした。
椅子を使った演出も健在ですし、名古屋大阪に向けどんな形に最終仕上げをしてくるのでしょうか。
●桐原工務店さん(作・演出・出演)、中内こもるさん(出演)の話
――今回の台本を書かれたきっかけを教えてください。
桐原工務店さん(以下桐原):人生にリセットボタンがあったらなあと思いまして。じゃあリセットボタンってぼくの生活の中でどういう時に押したいんだろうと思った所が最初のきっかけですね。
――今回は名古屋と大阪の2都市公演ということですが、2つの劇場でやる上で演出的に意識していることがあれば教えてください。
桐原:ウイングフィールドとG/PITというのは劇場としてめちゃくちゃ似てるんです。構造上。ウイングさんの方が多少奥行きがあるくらい。一番最初に見に行った時に「G/PITだな」と思いました。名古屋ではG/PITはよく使うので、G/PITの特性を生かした芝居にしようかなと思います。
――牛乳地獄ではよく椅子を使われますが、何かこだわりがあるのでしょうか。
桐原:別に椅子に執着している訳じゃないですけど、大きな道具を持って県外公演をするとなると色々な制約が出て来てしまうので、椅子だけでやれるという形体があればどこでも芝居が出来るんじゃないかなと思っています。
――牛乳地獄の客演に入ってみて、桐原さんの演出の特徴や感じたことを教えてください。
中内こもるさん(以下中内):非常に気を遣われているなと思います。最年長だし、皆さんから見たらおじさんですから。
桐原:そんなことはないですよ(笑)。
中内:演出も含め、牛乳地獄の中で共通のイメージがあるんだなと思いました。桐原くんが「こういう感じで」と言うと皆が的確に捉えてちゃんと形作ろうとしていると思います。ぼくはそれが分からないので邪魔をしっぱなしなんですけど(笑)。イメージのある人なので、そこに皆付いて行こうとしていて、若いのに皆しっかりしているなと思います。
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牛乳地獄『穴があったら入りたい』
作・演出:桐原工務店
会場:G/PIT
日時:2014年11月6日(木)~9日(日)
出演:桐原工務店・服部半僧・藤村昇太郎・佐野かおる・日置美穂・池田桃香(フリー)・中内こもる(劇団中内(仮)・クリアレイズ)