阿吽:ミソゲキ2019、B組出演団体の劇団んいい『ピアノの発表会』ご出演の椎葉星亜さん、内山ネコさんにお話を伺いました。
ーーミソゲキ参加の理由をお聞かせ下さい。
椎葉星亜(以下椎葉):名古屋の皆さんに僕らの作品をなんとか見て頂いて。
内山ネコ(以下内山):なんていうんだろうね。遠くに行った我々のね。ビデオレターじゃないけどね。こんだけ元気にやってんだっていうのを。
椎葉:僕らにとって名古屋の演劇っていうのは本当に育ててもらった親であり。
内山:ホームだからね。少しでも還元したいしね。
椎葉:機会があれば是非とも参加したいと思ったし、観に来てくれた人にとって明日っていうのは来年になるわけだよね。2020年も元気に頑張ってもらいたいって思いを込めて、参加しました。……あとは、帰るから、ついでにっていう(笑)。
内山:(笑)。
ーーミソゲキ参加を決めたタイミングは?
椎葉:なんかね、20分の短編が書けたんですよ。
ーー作品が先に?
椎葉:作品が先に書けて。あ、じゃあ、いい機会だしって。
内山:なんかの前日に寝ないで書いたんじゃなかった?
椎葉:ゲレロン※だよ(※フリー芸人中心のバトルライブ@歌舞伎町)。
内山:そうかライブか! そうだそうだ。
椎葉:ライブの前日に。
内山:初ライブか!
椎葉:初ライブの前日に俺が書いたんだよ。
内山:なんか寝れなくなっちゃって椎葉くんが。ずっと書いてたらしい。俺は寝てたけどね。
ーー「阿吽」というコンセプトには合致するものがありましたか?
内山:まあ、でも、二人なので、ちょうどいいってなったんだよね。名古屋に帰ってやらせて頂くなら渡りに船というか。
椎葉:阿吽と言えば僕らなんでね。僕らと言えば阿吽ってとこありますからやっぱり(笑)。
内山:ねえよ別に(笑)。だから、トントン拍子に我々の中ではミソゲキ参加が決まった感じはしますね。
椎葉:ミソゲキとかそういうイベントがないと僕らも帰らないので、そういう意味ではミソゲキがあって頂いてありがたかったですね。
ーー「劇団んいい」を知ってる方と知らない方と楽しみ方の違いはありますか?
椎葉:知ってる人ならではっていうのはそんなないね。誰でも楽しめるんじゃないかな。
内山:全く別物と思ってもらっていい。
椎葉:昔からこういうコントのオチをしたいなっていうのは、あっためていたもので、今回やっと実現できたっていう感じではありますな。
内山:俺も、俺じゃないっていうのが新しい感じではありますね。
椎葉:いつもは僕の方がキャラなんですけど、今回結構内山さんがキャラっていう。
内山:そうなんです。怖いんです、だから。
椎葉:すごい新しい。
内山:怖いんです。
椎葉:僕はもうここ数年で一番好きな内山さんなんで。僕はもう楽しみで仕方ない。
内山:僕が本当に怖いです、ずっと。全編通してキャラクターなので、非常に怖いです。ただただ恐ろしい。あと、我々的には1個山場のシーンがあるので、そこを読んだ時にこれを人前でやりたいがためだなって。そこで俺らはすごい爆笑するけど一般の方々にどう観て頂けるのかが楽しみですね。
ーーその山場が作品の見どころ?
内山:そうですね。やっぱそこですね。一番の山場だよね?
椎葉:そこが山かどうかはわからないよ、別にクライマックスでもないし(笑)。
内山:確かに普通の中盤だけど、でもそこがやりたい。そこが楽しみ。
椎葉:俺らが客として見た時にはすごい笑うけど、お客様が笑うかどうかはわからない(笑)。
ーー東京と違いを感じることはありますか?
内山:我々は東京で全く演劇をやっていないので、お笑い芸人さんたちの中でやらせて頂いていて、非常に刹那なんですよね。一つのものが3分しかないので、我々がやっているものは。どんなに面白い人もつまらない人も3分で終わるし、掃いて捨てるほどいるので。一瞬一瞬を大切にしようじゃないですけど。そんな感じで思いましたな私は。
椎葉:……でもやっぱり、東京も名古屋も、僕らのやることっていうのは、作品を作り、それを上演し、お客さんに楽しんでもらう。これは変わらないんじゃないかな?
内山:でも椎葉くん、東京で辛いことないかい?めげたりすることないの?
椎葉:そりゃあるよ。でも大丈夫。だって僕は1人じゃないから。
内山:椎葉……(笑)!
椎葉:うん……!
内山:うん(笑)ああだからなんていうんですかね。3ヶ月稽古して1個のもの作るってやってないので、新鮮ではありますね。
椎葉:3分の作品を結構作ったんですよ。20本ぐらい。で、久し振りに短編だけど長い作品をやると、やっぱり楽しいですよね。
内山:のるよね。
椎葉:のるのる。だから今、ミソゲキの稽古が楽しくてしょうがない。
内山:そう楽しくてしょうがないんですよ。時間から解放されて。俺ら常にストップウォッチを握ってるんで。多少いろんな意味での遊びだったり、間とかも、20分だったら、いいだけ取れるんですよ。演劇って楽しいんだなって。
椎葉:うん、だからんいいが楽しんでる様を観て欲しい。
内山:この感覚は東京来なかったら絶対わかんなかったと思うかな。
ーー演劇とお笑いやってる時と感覚は変わらない?
椎葉:変わらないね。名古屋でんいいやってる時とやってることは変わらないから。結局感覚としてはお笑いやってるというよりか、名古屋で変わらずコントやってるって感覚だから。それが3分になったことによってより細かいところとか一個のセリフでシーンが変わったりとか、そういうのをよりチェックするようになった。
内山:非常に密度は濃くなった感じはありますな。
椎葉:逆に、3分って最初は雑になると思ってたんだけど。3分しかないしって。逆に精度は増した気がする。
内山:マシーンになった気がする。
ーーマシーン?
内山:3分40秒のコントで、1.5倍でやってみようってなったら2分50秒になったりとか。よくわかんないマシーンになってます。
ーーそれはプロフェッショナルな感じがしますね
椎葉:まあプロなんで(笑)。
内山:(笑)。
ーー愛知に帰ったらこれをやろうなど、決まっていることはありますか?
内山:僕はもう本当にパセリ(名古屋市内の洋食屋さん)に行きたい。本当にパセリに行きたい。これはもう本当にそう思ってます。
--なぜ?好きだから?
内山:好きだから。あと大須の揚げまんじゅうが食べたい。
椎葉:それは?
内山:好きだから。あと犬と会いたい。家の。
椎葉:それも?
内山:好きだから(笑)。椎葉くんはあるんですか?
椎葉:まあ色んな人と会いたいですね。
内山:そうですね。ちょこちょこ帰ってるんですけど、二人とも。別々ですけど、短かったりするので。年末にお祭り騒ぎしたいですね。
ーーどこか気になっている他のミソゲキグループはありますか?
椎葉:相羽くんとかチェリー(芝原啓成)のとことかあえていかずに……。
内山:同じ東京とか、大阪とか……。二人芝居を観たことないので、みんなどんな感じに二人芝居やるんだろうなっていうのがある。
椎葉:同じ組の人が割と気になるかなぁ。ティンクさんとか。やっぱり姉妹でしかない感覚とかはあると思うから。やっぱ気になりますね。
内山:どっちが本当の阿吽なのかってところですね。
椎葉:まあ俺らは北名古屋イチの阿吽だから(笑)。
内山:(笑)
ーーB組の1団体目ですけど、団体順の思いがあったりします?
内山:あ、不満?
椎葉:不満ね?
ーー不満?!
椎葉:1番って実は慣れてなくて。
内山:インプロ集団って思っている方もいますが、我々結構ちゃんとしたことしかやらないんで。決めたことしか。でもミソゲキいっつも1番だった?
椎葉:いや2番とかだよ~。
内山:そっか2番か~。
ーーめっちゃ嫌がってますね(笑)。
椎葉:一番ね、嫌なんですよ(笑)。
内山;割と調和を重んじるタイプなので。バトンをうまく繋ぎたいっていう。
椎葉:そう、なので1番にビビってます。B組の人たちは本当楽しみですけどね。
内山:ただ、1番がなって感じです……。
椎葉:俺もうなんだったら4番がよかった(笑)。いや1番で頑張ります。
内山:いやでも楽しみではあるよね。普通にね。
ーーそれでは、最後に意気込みをお願いします。
内山:そうだねぇ。本音言いますけど、実家に帰りながらみんなに会えて、みんなの前でお芝居できるって最高だなって思います。僕は。んいいもこういう機会じゃないとなかなか戻れないので、忘れた頃にやってくるぞって感じかな。椎葉さん、なんかあれば。
椎葉:まあやっぱりね、年末のね。忙しい時間をさ。削って。稽古したんでね。
内山:あ、俺らがね?お客さんじゃなくてね?
椎葉:この年末のクソ忙しい中、時間を色々削ってね。年末の忙しい時間を、芝居を観たいと来てくれたお客さんのために。需要と供給のバランスを僕らが保ちます。
内山:厚かましいななんか(笑)。
椎葉:がんばります。
内山:お母さんお父さん待っててね。
椎葉:この寒さ吹き飛ばします。
内山:かかってこい令和。
椎葉:かかってこい冬将軍。
椎葉:くらえ、阿吽砲!
ーーありがとうございます!もう大丈夫です!
椎葉:くらえ年賀状手裏剣っていうのもありますけど。
内山:もういいよ(笑)投げんなよ年賀状。
椎葉:冬将軍に向かってさ。
内山:(笑)。
ーー(笑)。劇団んいいのお二人でした、本当にありがとうございました!
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阿吽:ミソゲキ2019|劇団んいい『ピアノの発表会』
作:椎葉星亜
演出:劇団んいい
会場:ナンジャーレ
日時:2019年12月29日(日)19時、31日(火)11時
出演:内山ネコ(劇団んいい)、椎葉星亜(劇団んいい)
詳細はこちら
https://nagoyatrouper.com/misogeki/
[文:寺島久美子]