名古屋の演劇人が贈る名作劇場『煙が目にしみる』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
名古屋市文化振興事業団による、現在活躍中の名古屋人で構成された座組で、若手からベテランまでを揃えつつ、全体はコミカルに進みながらも所々でホロリとするようなお芝居になっています。
どの年代の方が見ても共感する部分を発見出来るのではないでしょうか。
●神谷尚吾さん(演出)、高木康晴さん(名古屋市文化振興事業団)の話
――今回演出に神谷さんを選ばれた理由を教えてください。
高木康晴さん(以下高木):名古屋で活躍されている演出家にお声がけさせて頂きました。また、『煙が目にしみる』はジャズの有名なナンバーと同じ名前ということもあり、以前に拝見した公演で神谷さんがその際はロックでしたが、音楽を劇中で使っていらっしゃったのが印象的で、そこから神谷さんをイメージして、お願いが出来ればと考えました。
――最初に本を読まれた時の感想を教えてください。
神谷尚吾さん(以下神谷):実は前に加藤健一事務所が上演した作品を観てるんですよ。下北沢の本多劇場で。2000年くらいじゃないかな。改めて本を読み返してみたら、ああこんな本だったなあって。
――キャストはどのように選ばれたのでしょうか。
高木:公演を色々拝見していてそれを踏まえ神谷さんにご提案したり、神谷さんからリスエストを出して頂いた方も沢山おられます。名古屋の演劇人からということで、ひとつの劇団に絞らず、色々な方にお声掛けさせて頂きました。
神谷:これが無ければ組むことが無かったような方とも出来るので喜んでいます。
――演出に当たり、意識されていること、試してみたいことはありますでしょうか。
神谷:B級遊撃隊でやるような作品じゃないので。いい話じゃないですか。いい話ってあまりやったことがなくて。今回は色々な経験値を積んでいる方が沢山おられるので、そこから教えて貰う。ヒエラルキー的な演出はもういいやと。ネットワーク的な演出の方がいいなと。その辺を模索しつつ、その延長線上から作品が出来ればいいかな。最近は「何やりたい?」って聞いたりしています。
――今作の見所を教えてください。
神谷:この煙は何の煙なのか、それを持ち帰って貰えればと思っています。劇中で煙草吸うんですよね。最近は煙草吸う芝居ってあまり無いですが、これは煙草が非常に重要な意味合いがあります。その煙というのは煙草の煙であったり、愛の炎が消える煙であったり、その煙はあなたにとってどんな煙に見えましたか、というのがやれればいいなと思っています。
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名古屋の演劇人が贈る名作劇場『煙が目にしみる』
原案:鈴置洋孝
劇作・脚本:堤泰之
演出:神谷尚吾
会場:名古屋市東文化小劇場
日時:2019年12月13日(金)~15日(日)
出演:栗木己義、小嶋彩子、青木謙樹、川本麻里那、内藤美佐子、山口未知、小嶋隆之、小澤寛、上田愛、元山未奈美、二瓶翔輔、二宮信也
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