座・タータンチェック『Like Me!!』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
椙山女学園大学唯一のミュージカルサークルで、数年前に結成されたばかりとのことです。
ただ今回は芝居要素にも力を入れているようで、一所懸命台本を読み進める皆さんがとても初々しく感じました。
特にサークルの皆さんと同年代の方には響く内容になっているのではないかと感じました。
●永岡桃子さん(演出・出演)、井上雅美子さん、田邉麻由子さん(出演)の話
――今回第2回公演ということですが、どういう経緯で生まれた団体なのでしょうか。
永岡桃子さん(以下永岡):正式には3年前に設立されて、当時はサークルとしてではなく、先輩達が趣味でやっていたんですけど、それが昨年サークルとして認定されて、そこから公演もやるようになりました。元々はミュージカルをやりたいと作られたんですが、今回はお芝居要素も入っています。
――今回の台本はどういうきっかけで書こうと思われたのでしょうか。
永岡:最初は典型的な現代劇だったので、今年はファンタジー要素を入れたいねという話になりまして、でもそれだと予算的にも人数的にも厳しい所があったので、現実とファンタジーを織り交ぜたを作ろうということで今回の作品となりました。それとわたしが心理学を専攻しているので、心理学要素も入れました。
――心理要素というのは具体的はどういったものになるのでしょうか。
永岡:作品のキーワードが『夢』なんですけど、主人公の心境が夢に出ているシーンがあって、それを解説するのが井上雅美子さんがやっている教授の役なんです。
――今回演じる上で意識されていることがあれば教えてください。
井上雅美子さん(以下井上):今回演じる教授は、夢を専門的に探求している人で、オタク要素が強い。夢が大好きで、他人の夢を聞いて分析するのが楽しくて仕方がない。そういう部分を全面的に出す場面と、相談しにくる主人公に対してはカウンセラーとして会話が出来るように、その切り替えを意識しています。
田邉麻由子さん(以下田邉):わたしはアンサンブルで、主人公を責める役なんですけど、ただ単に責めるだけじゃなくてそこに無邪気さを出すように気を付けています。
永岡:わたしもアンサンブルで女子大生として出るんですけど、よくいるうるさい女子大生として出ています。なので、アンサンブルなんだけど声がむちゃくちゃでかくてうるさくてテンション高く、観ている側に「こういう人いるよね」って思われるよう気を付けています。
――演出上でこだわっている所はありますか。
永岡:心境の表現にこだわりを持っていて、中途半端に表現すると何も伝わらないので、複雑な心境のシーンでも細かく言っています。舞台美術はかなり単純にしていて、主人公の部屋だけが独立してあって、あとはバレエマットを引いてあります。なので転換が重要なポイントになってきます。
――最後に見所を教えてください。
永岡:基本的にコメディタッチなんですけど、所々人間の闇を描いています。それは誰か特定の人が共感するのではなく、生きていれば誰しもが感じる心の闇。そこから自分にもこういうことあったなと思い返して貰えると嬉しいです。
井上:このミュージカルの大きなポイントに『人からどう見られるか』というのがあって、周りから圧力を掛けられて自分のやりたいことが出来ずに閉じ篭ることってあると思うのですけど、それを無意識にやってることもあるので、その打開策を考えてみて欲しいなと思っています。あとは衣装にもこだわっています。
田邉:ミュージカルという先入観を持って欲しくなくて、演劇が好きな方にも観て貰いたいと思っています。
井上:脚本も曲も全部オリジナルなので、馴染みやすいものかなと思っています。
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座・タータンチェック『Like Me!!』
演出:永岡桃子
会場:ユースクエア
日時:2018年11月25日(日)