牛乳地獄『透明ランナー』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
短い時間での取材でしたが、役者はもちろん、本や演出も大幅に変わっているようで、再演とは言え新しい気持ちで観られる作品になっていると感じました。
これまで新作をどんどん重ねてきた牛乳地獄ですが、劇団員も固まりつつあり、ここでひとつ牛乳地獄の本領が観られるのではないかと期待しています。
●桐原工務店さん(作・演出)、藤村昇太郎さん(出演)の話
今回は再演ということなのですが、かなり本を書き直しておられるとお伺いしましたが、どうしてでしょうか。
→桐原工務店さん(以下桐原):9割方書き直しています(笑)。印象に残っているシーンは残していこうって形ですね。昔のものを残しながら今出来る演出というものを考えています。昔と今の統合されたものをやりたいなって。
再演の作品に『透明ランナー』を選ばれた理由があれば教えてください。
→桐原:今でも「透明ランナー良かった」って言ってくれる人がいるので、人気がわりかしあったのかなと思いますし、牛乳地獄史上一番走る(笑)。今回は走りたいなと。
→藤村昇太郎さん(以下藤村):牛乳でよく使われる走りというのはこの公演からでしたもんね。
自身の役をやる上で意識していること、目標等があれば教えてください。
→藤村:個人ではなく、作品がきちんと伝わるようになればと最近思い始めました。皆で作る中の一人としては、自分が自分がっていうのは無い方がいいかなって。そういう考え方になってきた。透明ランナーを通じて伝えたいことがあるので、それが伝わればなと思います。
初演当時と比べて、桐原さんの変化したところ等があれば教えてください。
→藤村:物語性としては、以前は時間軸が複雑な書き方をされていたのが、分かりやすくなってきたなと思います。
→桐原:分かりやすくしようとは思っていないんですけど、伝えたいことを、どうやったら伝えやすいだろうと。それによって世界観も変わってきますし。分かりにくくてもいいから、最終的に伝えたいことが明確になる演出だったり本だったりにしようと思っています。
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牛乳地獄『透明ランナー』
作・演出:桐原工務店
会場:七ツ寺共同スタジオ
日時:2014年1月23日(木)~1月26日(日)
出演:服部半僧・藤村昇太郎・佐野かおる・日置美穂・桐原工務店・大橋謙一・玉田雅哉(南山大学演劇部「HI-SECO」企画)・久具巨林(金星ロケット)・魚谷トオル(フリー)・天仁(植田バイソンズ)・今枝鈴(ミュージカル劇団スパーク)・舟橋”委員長”慶子(シアターUNA!)