テアトロ・マジコ『Zipang~ジパング~』

テアトロ・マジコ『Zipang~ジパング~』の稽古にお邪魔させて頂きました。

この日は出演陣が揃っているということで、全体シーンを中心に何度も反復で稽古をされていました。普段は非常に優しい雰囲気を持つ演出の涙銀子さんですが、時に厳しい指摘もあったり、本番に向けて着々と進行しているようです。

涙さんはファンタジー色の強い作品を作られることが多いようですが、その中にも笑いあり、殺陣ありと、エンターテインメントとして存分に楽しめる作品を提供されています。

また、前公演から出演されている方もおられましたが、長期間共に稽古を続けている成果か、以前よりも堂々と力強く演じられているのが感じられました。

●涙銀子さん(脚本・演出)のお話

今回は再々演ということですが、『ジパング』を今回上演作品に選ばれた理由を教えてください。
→最初に『真夏の夜の夢』をやって、次をまたやろうってなった時に、『アリス・イン・ワンダーランド』よりも先にこの作品をやりたいと考えていました。震災もあって、日本が変わったという空気もあったので。けど、テアトロ・マジコの持っている雰囲気はジパングの小劇場の雰囲気に合わないので、やるにはまだ早い。なので第2弾はアリスを上演し、原発の話を加えました。そしてジパングでは、震災直後に感じた「日本はどうなるんだろう」という印象で作っています。

段階を踏んで公演していくことは初めから視野に入っていたのですね。
→最初は「1発で終わっていい」と思っていたんですけど、2発目をやりたいという話が出て来たらやることはあるかなと思っていました。そして1年以上経ってやりたいという話が出て来たので、次のことも考えるようになりました。向こう2つずつを視野に入れていこうと考えています。10年以上先のことを考えていても駄目なので、次の次までは。アリスの時はジパング、そしていまは来年のことも考えて動いています。

キャストはどのように選ばれましたか。
→台本が元々ありましたので、何人出るか、どういうキャラかは分かっていたので、役者さんと現実の世界をリンクさせて面白そうな人は誰だろうということで、オーディションではなく、一人づつ声を掛けていきました。今回は読み合わせしてからの配役ではなく、最初から役を決めています。

●美月ノンさん(出演)の話

これまで色々な劇団の客演などをされてきていますが、テアトロ・マジコ、そして涙さんの演出で、他劇団との違いがあれば教えてください。
→年齢層が広いので色々な方と共演出来るというのがあります。また、衣装やヘアメイクが特徴としてあって、エンターテインメント性が非常に強いです。涙さんの演出は、ストーリーや演出よりも、まずなにより役者が生き生きと魅力的に立っている舞台をいつも目指していると思います。また、それぞれの役者の、今まで見た事のない魅力を引き出そうとしてくださってますね。生き生きと立つには、いっぱいいっぱいだったり、一緒懸命に頑張っているのがお客様に伝わってしまったらいけないので、精神的にも体力的にも余裕があり、自由に楽しみながらできる状態まで自分を持っていく必要があると思うのですが、難しいなあと思いながらそこを目指して、日々稽古をしております。

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テアトロ・マジコ『Zipang~ジパング~』

作・演出:涙銀子
会場:千種文化小劇場
日時:2013年4月27日(土)~29日(月)

詳細はこちら
http://www.joyspark.com/magico/