大名『まばたきするまに』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
大阪で学生演劇をされていた3人が社会人になった後に名古屋で出会い劇団を立ち上げることになった、という少しドラマチックな経緯を持つ劇団です。
この日は稽古が始まったばかりということで、台本を持ちながら位置確認等を繰り返しておりました。
堀川沿いにあるギャラリーを会場にし、関西の新進気鋭の劇作家の書き下ろしを使った会話劇を行うということです。色々な意味で一風変わった劇団がどのような作品を作り上げてくるのか楽しみです。
●秋吉慎也さん(舞台監督)・未彩紀さん(出演)・紺野ぶどうさん(演出)の話
――劇団を立ち上げることになった経緯を教えてください。
秋吉慎也さん(以下秋吉):3人とも関西の学生劇団で芝居をしていまして、そして社会人になっても芝居がしたいなと思っていた時期に、2人が名古屋に居ると。3人いれば何か出来るんじゃないかと思いまして。ちなみにこの人(紺野)は関西にも劇団があったりします。
紺野ぶどうさん(以下紺野):同時進行でやっています。『Contondo』という演劇企画集団なんですけど。
秋吉:それを観に行って制作の方とお話をしている時に、「名古屋からわざわざ演出しに来ている人がいるんですよ」と。そこで彼が名古屋にいることを知りました。
――劇団としてはどういう方向性のお芝居をされるのでしょうか。
紺野:これまでの2作品は会話劇ですね。少し変わった会話劇がやりたい。関西に限らず、同年代性をもった気鋭の劇作家に本をお願いして、面白い会話劇が出来たらと考えています。
――『少し変わった会話劇』についてもう少し詳しく教えてください。
紺野:会話劇だと通常対象になる人物と会話を進めるんですけど、その対象が無かったりだとか、お互いが違うものを思い浮かべていたり、対象がコロコロ変わったり。そういった意味で『少し変わった会話劇』をやりたいと思っています。
――紺野さんの演出の特徴を教えてください。
秋吉:こんな細かい演出は見た事が無い。絵コンテを切るんですよ。すっごい細かい。これで役者に稽古を進めて貰う。こうして紙に残して貰えると非常にありがたい。
未彩紀さん(以下未彩紀):1音高くとか、ひとつの玉があってそこに収束させる感じで(台詞を言って)、とか。絵的なイメージですね。
紺野:ビジュアルがぼくの中にあるので、あとはそこにどう息を吹き込んでいくか、生命力を持たせるかという所で、役者さんの力を借りていく。
――今作の見所を教えてください。
紺野:劇場じゃなく、ギャラリーという場所でやらせて頂くということで、空気をどこまでぼくらで作っていけるかという所です。芝居として生み出される空気を楽しんで欲しいなと思います。
未彩紀:それぞれの役が頭の中に何を思い描いているのか、観ている人に想像して貰いたいですね。
秋吉:台本を読んでいくと、メッセージ性が強い作品だと気付きました。そこをどこまで表現するか、気付いて貰えるか、もしくは気付いて貰いたくないか、ですね。
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大名『まばたきするまに』
脚本:中空よおい
演出:紺野ぶどう(Contondo)
会場:gallery+cafe blanka
日時:2015年6月20日(土)~21日(日)
出演:未彩紀・育子(GROUP09)・入野将昴・石原大地
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@daimyou5