オブジェクトパフォーマンスシアター『胎児の夢~ドグラ・マグラより』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
到着した時にはちょうどオブジェを使った演出中で、舞台上には面白いオブジェがたくさん置かれていました。
前回公演では物語性が強い印象でしたが、今作ではオブジェを中心とした演出がまた見られそうです。
今回は『ドグラ・マグラ』を原作とした作品を作るということで、夢野久作とOPTがどのような化学反応を見せるのか楽しみです。
●木村繁さん(構成・演出)の話
――夢野久作の本をやろうと思ったきっかけを教えてください。
木村繁さん(以下木村):この人は精神的にラジカルな所があったかと思うと論理的になったり、そのうちどっちが夢か現実か分からなくなる。でもそれって自分の精神の取り方のバランスに似てるなと、それが面白いと思った。これを読むと不出来な小説だと思うよ。凄く長くて。だけど人間の精神のバランスってそんなものじゃないですか。妄想したり科学的に分析したり、その繰り返し。その行ったり来たりが人間の精神構造を描いているみたいで。何度も読むの中断したけどね(笑)。
――今作の演出で意識されていることがあれば教えてください。
木村:ドグラ・マグラは色々な話があるんだけど、その中で胎児が生まれるまでを描くことにしました。腹の中で見た悪夢。胎児は生まれるまでにお母さんお父さんの人生を、もっと言うと人類の進化を体験する。最初は魚系から始まり、両生類、鳥類を経て哺乳類になる。それを3日間で全て体験するらしい。それを考えると、オブジェを使わないと描きようがないぞと思った。それでOPTでやってみたいと思った。
――今作の見所を教えてください。
木村:OPTならではの音と造形と。胎児が変化して進化して、これから生まれていくべき人類の悪夢を造形で全て表現して見せます。
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オブジェクトパフォーマンスシアター『胎児の夢~ドグラ・マグラより』
原作:夢野久作
構成・演出:木村繁
美術:福永朝子
会場:損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール
日時:2014年12月13日(土)〜12月14日(日)