劇団蒼天の猫標識『私のペットは食用牛2021』

蒼天の猫標識『私のペットは食用牛2021』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

不思議で素敵な世界観を創っている団体です。ぜひ直接感じてほしいなと思います。

●いば正人さん(作・演出)の話

――蒼天の猫標識はどのような劇団ですか?

いば正人さん(以下いば):どのような劇団ですか…いつもは不条理をリアリティーに描く会話劇を作っています。たまに違うのもやったりします。僕自身、蒼天は色んな人が作品を出品したい!という場所になればいいなぁと思っていますが、書く人が僕しかいないので僕が作と演出をやっている感じです。

――作品のあらすじを教えてください。

いば:とある悩みを抱えた女がペットを飼いにペットショップに行く話です。これ以上はネタバレになりそうなので上手く言えない。

――今回、3度目の上演ということですが、前回とどう変わりましたか?

いば:まずキャストが劇団員の佐倉さん以外、新しく入れ替わっております。これはオーディションを行って決定したのですけど、とある狙いがあります。だから「2021」と。あとは終盤のシーンが劇的に変わっております。元の話を知っている人からはビックリされました。え――! って。

――この作品を書こうと思ったきっかけを教えてください。

いば:キッカケは忘れたんですけど人間に怒っていた時に書いた話です。怒っていたというか、呆れたっていうのもあるのかな。人間って本当に都合の良い生き物だなと。だからこうしてやる!みたいな。

――今回の見所を教えてください。

いば:客席から向こう側に広がる世界です。そこでの人の営みをぼーっと眺めて欲しいです。

――今作でこだわっている点はありますか?

いば:総合的になっちゃうんですけど、全体の美術ですかね。とにかく世界観と、とはいえ嘘っぽくしたくないので芝居はリアリティーでつくってます。

――どのような方に観て頂きたいですか?

いば:この企画自体、まだ蒼天を観たことが無い人と、これからの若い世代に観て欲しいという想いで立ち上げました。もちろん、この作品が好きでもう一度堪能したい! という人にも観て欲しいです。人もホンも変わったので。

――稽古場の雰囲気を教えてください。

いば:とても良い空気感だと思います。クリエイティブに作品が作りやすいです。役者さんは休憩中は和やかで、稽古が始まると集中してくれるので、とても助かっています。

――今回の座組はどのように選んだのですか?

いば:オーディションで決めました。僕とあとこの作品に縁のある二人を加えて三人で投票しました。僕だけが選んだわけでは無いので、そうなったかー!と僕も意外に感じたキャスティングではあるんですけど。今となっては本当にこの座組で良かったなーと思いました。

――いばさんは自身はどの役を演じてみたいですか?

いば:ろーさん(堀川)が演じる役と、藤岡君が演じる役かな。綾君のは以前演じたからもういいかなぁ。女性陣の役は演じたくないです(笑)。

――その他伝えたいことはありますか?

いば:この作品に観て蒼天を好きになったり、創作に変化が起きたって人をよく耳にします。それぐらい影響力の強い作品で、僕も私ペットならと自信を持って提出できる作品です。

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劇団蒼天の猫標識『私のペットは食用牛2021』

作・演出:いば正人
会場:G/PIT
日時:2021年12月2日(木)〜5日(日)
出演:川口美香、田村早紀‪(劇団アルクシアター)、佐倉悠斗(劇団蒼天の猫標識)、藤岡侑真(劇団わに社/劇団Noble)、菊池綾(テアトルアカデミー)、堀川智広、いとうありさ(はっぴぃ✡️ゃみゃみ)
演出助手チーフ:橋本あきら(在り処)
音響・演出助手:在鳥望(幻想劇団まほろ/トブトリ企画)
舞台美術/舞台監督:茉珠
制作:ジン、N井タロ(劇団バッカスの水族館)
受付ゲスト:アイリーン(続・新世界)
フライヤーデザイン:町田藻映子
照明・アートディレクター:いば正人

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https://twitter.com/soutenneko/status/1444218338511519749?s=21

[写真・文:砂月蛍]