劇団B級遊撃隊『ぬけがら』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

『ぬけがら』は『第50回岸田國士戯曲賞受賞作』であり、香港の劇団『香港話劇團』が2011年の公演にて、現地の演劇賞主要7部門を独占受賞した作品でもあります。

今回は佃さんが演出をされますが、何故今この動きに至ったのか、そういう事実を積み重ねて行く為の話し合いに時間を掛けているようでした。

台本だけではなく、名古屋の面白い役者をたくさん揃えており、皆さんの動きを追っているだけでも非常に楽しめた稽古場でした。

観て絶対に損はないと思います。

●中田裕子さん（出演）の話

今回佃さんの演出を受けてみて、これまでに受けられて来た方との違いはありますでしょうか。

→中田裕子さん：佃さんの演出は初めてなんですけど、以前AAFの『アナトミア』という作品で共演をした時に、台本に書いてある台詞を言っているのに、全然違う台詞を言っているという感覚があったんですね。自分が思ってもいないところから言葉が発せられる。それが新鮮で。また、これまでは厳しい演出家の方が多かったのですが、優しいですね。そしてちゃんと的確に言ってくださります。ただ、わたしが現代劇をやったことがあまり無くって、まだ自分が役として掴みきれてはいないので、ここからですね。

●平塚直隆さん（出演）の話

今回は父がどんどん若くなっていくという設定があるのですが、相手役として気を付けていることはありますか。

→平塚直隆さん（以下平塚）：リアクションしてるだけだからさ（笑）。それがいかに嘘が無いように、そういうことかなあ。

これまでにも色々な演出家の方と一緒にやってきたと思いますが、佃さんの演出の特徴はありますでしょうか。

→平塚：佃さんの演出を受けるのは初めてなんですけど、たくさん話をしてくれるなって思います。演出する人によってはとにかくやっていって段々と、という方もいますけど、そうじゃないよね。

●佃典彦さん（作・演出）の話

今回再演になりますが、当時から作品として変わった所はありますか。

→佃典彦さん（以下佃）：台本としては特に無い。演出は初めてなので。台本はほぼ変えていないです。受賞した当時、2005年の時にしか通用しない時事ネタを変えたくらいかな。

演出上で気を付けていることはありますか。

→佃：当時は人が演出するのを観る一方だったので、今回自分が演出するに当たって、本当はこの作品は何について書かれた本なのか、もう一度ちゃんとひとつひとつ見つめ直してみたいなというのはあります。それは他の本と演出する時とさほど変わらないんですけどね。また、コメディーではあるんだけど、それを度外視して割とシリアスに作ろうと思っています。シリアスに作った上で、おかしいところというのはおかしいだろうし。あまり喜劇に寄らずに作りたいなと思います。

今回は香港話劇團と交互の上演になりますが、同じ作品をやるということで、意識することはありますか。

→佃：『喜劇的な出来事をどういう風に提出するか』ということの違いははっきりさせたいなと思います。香港の方は、このぬけがらを自分たちの物にした結晶がラストシーンに凝縮されていて、観るとびっくりします。それは是非観て欲しい。

香港話劇團の作品は現地の言葉で上演されるのでしょうか。

→佃：そう、広東語。でも字幕が入ります。

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劇団B級遊撃隊プロデュース「ぬけがら」

作・演出：佃典彦
会場：長久手市文化の家 風のホール
日時：2014年5月31日（土）～6月1日（日）
出演：平塚直隆（オイスターズ）・ 小熊ヒデジ（てんぷくプロ）・木村庄之助（フリー）・神谷尚吾・いちじくじゅん（てんぷくプロ）・池野和典・吉村公佑・中田裕子（フリー）・山口未知・長嶋千恵・鹿目由紀（劇団あおきりみかん）

香港話劇團「脱皮爸爸」

作：佃典彦
演出：司徒慧焯（ロイ・シートウ） 香港話劇團アソシエイト・ディレクター・演出家
会場：長久手市文化の家 風のホール
日時：2014年5月31日（土）～6月1日（日）
出演：辛偉強（サン ワイキョン）・周志輝（チャウ ジーファイ）・孫力民 （シュン リッマン）・高翰文（ゴー ホンマン）・潘燦良（プン チャンリョン）・林沛濂（アンソン ラム）（役者和戲）・凌文龍（レッン マンロン）・梁菲倚（リョン フェイイ）・陳煦莉（カリー タン）・張紫琪（チョン チーケイ）・彭杏英（パン ハンイェン）

詳細はこちら
http://www.bkyuyugekitai.com/

佃典彦インタビュー動画（in香港）はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=27JEJHfMsdU

香港版ぬけがらの紹介動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=djxhesQmm-4