俳優館『群青~雲流れる果てに~』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
この日はちょうど通しを行う日で、稽古場に入ると物凄い熱気がありました。
通しの途中まで見させて頂きましたが、戦争を体験した世代と現在の若者とのギャップを見せつつ、当時の状況や人々の生き様を音楽等を入れながら、演劇としても楽しめるよううまく配慮している作品になっていると感じました。
対象を若者から年配の方まで幅広い年齢層に向けているので、ご家族での観劇もお勧め出来る作品です。
●ふじたあさやさん(演出)の話
――今回は戦後70年企画ということで、演出としての今作に対する思いを教えてください。
ふじたあさやさん(以下ふじた):どんどん戦争の実感が無くなっていますからね。演劇は実感を手繰り寄せるには都合がいい。俳優は作品を体験することによって当時の実感を得られます。そしてそれに寄り添って観客も実感を得ることが出来ます。ぼくは戦争が終わった時は小学6年生でした。戦争を知っている最後の世代なので、ぼくらの体験したことを伝えたい思いがあります。でもそれを伝えるには状況が違い過ぎる。言葉の上では戦争を否定するんだけど、どこかで格好良いとか思っていたり、その辺が考え抜かれたというか、本当に実感をして判断しているのかというとそうでは無いので。本当はこうだったのだということを伝えるのがぼくらの任務だと思っています。
――戦争を実際に体験されているということで、作品を作る過程で辛いことはありませんでしたか。
ふじた:それは最初から分かっているから。ただ実感を無くした世代が増えて来たことによって、今の政治状況がある。本当にこれから戦争をする気なのかと、我々からも訴えていきたい。
――見所を教えてください。
ふじた:音楽も合唱曲として良く出来ていて、主張のある音楽と演劇がどう融和するかは任されているので、その辺がうまく繋がって感動出来るかがミソですね。当時のスライドとかも使えればと思っています。
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俳優館『群青~雲流れる果てに~』
作:いずみ凛
演出:ふじたあさや
音楽:藤村記一郎
会場:愛知県芸術劇場小ホール
日時:2015年7月30日(木)~8月2日(日)
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