俳優館のリーディング公演『マクベス』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
ちょうど通しの最中でしたので一通り観させて頂きましたが、空間を立体的に使いつつ、そして木村繁さんらしい生音を使った演出が随所に観られました。
俳優館の役者だけではなく、小熊ヒデジさんや宮谷達也さん等、客演も非常に豪華なリーディングとなっております。
●木村繁さん(台本・演出)の話
――今回はリーディング作品の演出ということで、演出上意識していることはありますか。
木村繁さん(以下木村):音と声をデザインしていくこと。声の発する位置とか、声で絵を描いていくということ。それはビジュアル的なものを演出する時とそれほど違いは無いんだよね。自分の中ではいつもと近いものです。
――役者の移動が多い印象を受けましたが、その辺もかなり細かく付けられているのでしょうか。
木村:空間や方向、どこに声が存在するのか、その辺を計算して絵を描いています。台本が求めていることと役者の声を聞いて立ち位置を調整しています。
――リーディングだからこそ出来る部分、難しい部分はありますでしょうか。
木村:結局演劇手法のひとつだからね。制約の中で俳句や短歌を作るのと一緒。でも役者さんは台本を読みながらというのは大変ですよね。役が出来てくると台本を離したくなるので。
――視線の指示は出されているのでしょうか。
木村:心理表現や内面的なことをやる時は上げてくれと言っています。
――今作の見所を教えてください。
木村:現在の社会でもあることですし、今の政治の世界にも通じる。権力者の生き様を描いています。非常に現代的な構造を持った作品です。他のシェークスピア作品と比べて幅広いドラマじゃなくて日本の能に近いストイックさがあります。そういう意味では分かりやすい、入りやすい作品だと思います。
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俳優館 シェイクスピア・リーディング・シアター『マクベス』
台本・演出:木村繁
会場:俳優館スタジオ
日時:2015年5月14日(木)~18日(月)
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