劇団あおきりみかん『身辺生理』

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劇団あおきりみかん『身辺生理』の稽古場見学会にお邪魔させて頂きました。

公演前のおなじみ企画になってきた稽古場見学会。この日も多くの方が来られていました。また、見学会の終わりには質疑応答もあり、皆さん真剣に演技や演出についての質問を投げ掛けておりました。

今回は出演人数を少なめにし、会話に特化した作品になるとのことです。

●鹿目由紀さん(作・演出)、松井真人さん、山中崇敬さん(出演)の話

――今回の本を書こうと思ったきっかけを教えてください。

鹿目由紀さん(以下鹿目):前から身辺整理に対して興味があって。祖父が亡くなった時、手帳が出て来たんですけど、そこに事細かに金の貸し借りのことが書いてあって。通夜の席で「こんなに細かく付けてたんだね」って皆で話していて、ああ、そんな風に話されるんだって思った。そこで、遺した物がどういう影響を与えるか、と同時に、自分が遺さないように暮らしていったらどうなるんだろうかと。そこに興味が生まれた。

――実際の生活ではどうなのでしょうか。

鹿目:意識している訳じゃないですけど、見つかったら困る物がたくさんあるなと。そういう物は捨てるように心掛けています。日記とか。日記が遺されたら、その時どう思って書いたのかじゃなく、文章としてこう書かれているという事実しか残らないじゃないですか。それだけで勝手な推理がされていきますので。

――演出上で試してみたいこと、気を付けていることがあれば教えてください。

鹿目:少人数なので、会話を重点的に。『会話』と『関係性』を細かく丁寧にやっていこうと思っています。今回はそれが一番です。

――今回の役を演じる上で気を付けている事があれば教えてください。

山中:自分じゃない誰かですが、基本は自分に近いものとしてやっています。ただ自分じゃない部分、素では無い部分は意識しています。でもとにかく楽しくやろうと。1年振りなので。皆との差を埋めるという事じゃなく、自分らしくいこうかなと思っています。

――1年のブランクは感じますか。

山中:あんま無いです(笑)。自分としては無いです。周りではどう思っているのか分からないですけど。

松井:今回は友人の死が話の起点になってくるので、死生観というか、それは結構考えますね。身近な人が死んだ時の事とか…記憶を丁寧に掘り起こしています。死については昔から結構考えることが多いですけどね。すぐ側にあるものですし。

――県外公演もよく行かれますが、劇場が変わることで苦労されている点、気を付けている点はありますか。

鹿目:やりたいものを同じ意味合いで提供することです。劇場によって舞台の大きさが異なり、声の響きなどが変わってくるとは思うんですが、今回の芝居でやりたいことが出来るようにつくることが第一条件なので。小屋が変わっても、何都市になってもそこだけは守ります。

松井:大体僕らがやる劇場は100人から1000人くらいのホールですが、大きいホールの方がやはり音に特化していくと思います。小さいホールの方が武器が増えますね。まばたきひとつでも表現出来るので、そのぶんアラも目立ちますけど(笑)。個人的には小さいホールの方が好きです、300人くらいまでのホールには独特の空気感があってそこが好きなんです。あとは小屋に入ると音の響き方が違うので、どのくらいのスピードで台詞を言えばいいのか、聞き取りやすいかどうかが大事なので、テクニカルな部分は気を付けています。

山中:東京とか行った所で悪ノリし過ぎない。問題的な行動を起こさない。ちょいちょいあるので。過去には本番で実は骨が折れていたこともあったので。それも本番前日にふざけてて負傷して「こりゃ折れてるだろうな」と思いながら死に物ぐるいでやっていました。だから悪ノリしないように、二日酔いにならないようにしよう。自分の管理が大事です。

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劇団あおきりみかん『身辺生理』

作・演出:鹿目由紀
会場:愛知県芸術劇場小ホール
日時:2014年12月18日(木)〜12月21日(日)
出演:松井真人・山中崇敬・カズ祥・花村広大・篠原タイヨヲ・ギャバ・川本麻里那・近藤絵理・真崎鈴子

詳細はこちら
http://www7.plala.or.jp/lifu/