チェルシイとバニーガール『girl』の通し稽古にお邪魔させて頂きました。
今回で一旦チェルシイとバニーガールの活動は終わるということで、作演出の伊倉さん、そして劇団がここまで積み重ねてきた経験と、それに伴う成長が実感できる作品です。根底にあるものは変わりませんが、劇団としてやりたいこと、伝えたいことがより明確になっているように感じました。
4部作の最後ということで、これまで観てきた方も劇団の歩んだ道程が楽しめますし、また、初めての方でも単体で十分楽しめる作品になっています。
●伊倉ゆうさん(作演出)のお話
今回このような題材を選んだ理由を教えてください。
→元々4部作ということで、テーマは大体決まっていたんです。4年前から。命が生まれるというところから始まって、最終的に、じゃあ先が無い人たちがどう生きていくんだろう、というところで、もう死んでしまう男と、子供を生むことが出来ない女がどうやって幸せを見い出していくのか、というところからスタートした話なんです。
4部作ということで、一連の流れになっているのですね。
→命にまつわる4部作のお話です。言い方を裏返すと、命を描くことは喪失を描くことなんだなと思いました。少なくともぼくにとっては。毎公演そうなんですけど、今回は団体が終わるということで、よりそういう部分が強く出たなあと思います。そしてぼくの精神性。ここ1、2年でだいぶ大人になった。年が年ですし。そんなぼくがいまはこういうことを思って、こういうことが素敵だなと思って、こういうことが許せるようになって、許容範囲が増えた。昔は大人なんてつまらないと思ってたんですけど、大人の素晴らしさも分かってくるようになって。否定じゃなく、肯定の方が増えてきた。なので、ぼくの精神性の成長が見れる。これまでチェルシイを観て来た人はそれが感じられるかなと思います。
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チェルシイとバニーガール Live.4『girl』
作・演出:伊倉ゆう
会場:千種文化小劇場
日時:2012年11月10日(土)~11日(日)
出演:伊倉ゆう・林優・美咲・大塚美紀子・加藤美穂・澤井しおり・棚橋愛・久木満里加 (オレンヂスタ)・真臼ねづみ・宮出貴衣 (虚構オメガ)・山下雄資 (オレンヂスタ)
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http://www.chelcy.net/