演劇ユニット跡の花嫁『ラザロ1225』

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演劇ユニット跡の花嫁『ラザロ1225』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

役者は小学生から30代まで幅広く、家族のような暖かい雰囲気でした。稽古が始まると皆が一体となって意見を出し合い、作品をどのようにアウトプットするか、演出と役者間で丁寧に話し合う姿が印象的でした。

今作は法龍寺会館での杮落とし公演となるそうです。10代中心で若く勢いのある跡の花嫁が新しい劇場でどのような試みを行うのか、とても楽しみです。

●宮田麻衣さん(作・演出・出演)の話

ーー前回は特殊な世界観を用いたセンセーショナルなお話でしたが、今回はどのようなお話でしょうか。

宮田麻衣さん(以下宮田):今回はうってかわって会話劇をちゃんと書いてみました。前回は自分の日常とは切り離された世界のお話でしたが、今回は身近にありそうな、でもありそうにないファンタジーです。クリスマスを舞台としたピュアなラブストーリーなので、お子様から大人まで楽しんで頂けるわかりやすい内容になってます。是非いろんな人に見てもらいたいです。

ーー宮田さんが高校時代に上演した作品の再演とのことですが、それに至るまでの経緯があれば教えてください。

宮田:私自身、三回目って節目だと思っているので、その節目に法龍寺会館で杮落し公演をやるということが大きいですね。杮落しをやらせて頂くからには、自分の一番納得する作品でお客様に届けたいと思って、私の中で処女作(今作品)が今でも越えられない壁だったから、じゃあ今それをやったらどうなるんだろうって。あの最高傑作を自分の手で壊すっていう怖さもあるけど、この3年間で積み重ねてきたものをもっとつきつめていいんじゃないかなと。よいものは使い捨てるんじゃなくて、つきつめてどんどんよくする、よくなるものだと思ってるので。自分にとってラザロ1225っていう作品が重かった。杮落しってこともあるので、自分の初めてと重ねようと。初心に帰らせてもらいました。

ーー力を入れている点があれば教えてください。

宮田:脚本に関しては、どこまでお客さんに共感してもらえるかですね。その中でも、どれだけお客さんに共感してもらいながら話を進めていけるか。展開がはやくなってしまう作品なので、お客さん目線を忘れないように書いてます。演出面では、どこまでお客さんの予想の上をいけるか、共感してもらいつつも、いかにはっとさせられるかですね。その時の心ってノーマークなので、そこにずーんとゴールをきめたい笑演出はよりきれいに、そういう意味では、センセーショナルに。でも脚本ではお客さんを置いてかないように気を付けてます。

ーー見どころはどこでしょうか。

宮田:女の強さってものがずっと私が描きたいことで。人間って傷つきながらも生きていかなきゃいけないってこともなんですが。その中でどうやって生きていくか、陳腐だけど後悔しないように全力を尽くすしかない、それに尽きるなぁと思うのでそれをみてほしいです。

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跡の花嫁『ラザロ1225』

作・演出:宮田麻衣
会場:法龍寺会館
日時:2014年11月28日(金)〜30日(日)
出演:出口延彦(劇団 緑の風車)・ 後藤亜惟・宮田麻衣(跡の花嫁)・星野奈々(愛知淑徳大学演劇研究会「月とカニ」)・TERU(なんだかんだクレイジー)・山岡黛佳・二村あきひろ(演劇ている)・中村真由美(劇団蒼月)・宇野藍(フリー)・鎌倉彩賀(劇団 緑の風車)・山瀬勇太(劇団とらの穴)・あずきまめ

詳細はこちら
https://twitter.com/nochinohanayome

[写真・文:星野奈々]