AAFリージョナル・シアター2014『夏目漱石リーディング』に参加される虚構オメガ『行人』の稽古場にお邪魔しました。
本番を来週に控えたということですが、賑やかな雰囲気で稽古が進んで行きました。朗読、群読、オペラ、ダンス等が確実に固まってきています。衣装も着用しての稽古ということで、和風をアレンジした華やかな稽古場でした。
衣装や演出や声の出し方がいろいろと発展し、作品が進化して行く様子は見ていてとても楽しかったです。
●宮出貴衣さん(出演)の話
時代が今と違いますが、役作りで気をつけている点があれば教えてください。
→宮出貴衣さん(以下宮出):原作がある作品なので、時代に合わせるというよりかは原作の雰囲気に合わせるようにしています。
朗読の作品となっていますが、普段の演劇とどのように違いますか。
→宮出:言葉の言い回しが独特です。それを脚本のニュアンスでしっかりと伝えるところです。普段の演劇でもそうなんですが、朗読ではとくに気をつけています。
●長谷川公次郎さん(構成・演出)の話
脚本を作っていく上で気を付けた点があれば教えてください。
→長谷川公次郎さん(以下長谷川):とにかく原作が長いので、その中から面白い部分を抽出し、そこで何を訴えるべきかを考えて構成しました。あと、夏目漱石の文は出来る限りそのまま使うよう気を付けました。
般若心経の演出のこだわりや、思い付いたきっかけは何ですか。
→長谷川:般若心経自体はオメガの挨拶的な演出として今までにも何度かやっています。その度に何か物足りないなあと思っていて、今回はそこにオペラを加えたら面白いんじゃないかと思い、入れてみたら見事にハマりました。
この作品の見所を教えてください。
→長谷川:オープニングのカオス感と、夏目漱石の行人は面白いっていうのと、ダンスと、歌と……全部です(笑)。
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虚構オメガ『行人』
構成・演出:長谷川公次郎
会場:愛知芸術文化センターフォーラムⅡ(B2)
日時:2014年6月21日(土)
出演:宮出貴衣・青木謙樹(劇団んいい)・赤井千晴(フリー)・伊藤文乃(オレンヂスタ)・菊池葉(ヘリクツ部)・清水清浄太(ゲボゲボ)・台越竜太郎(フリー)・竹田淳哉(妄烈キネマレコード)・舟橋”委員長”慶子(シアターUNA!)・山本大介(スイッチ/タウン)
ダンサー:後藤亜惟(劇団バッカスの水族館)・つらくも七瀬(廃墟文藝部)
声楽:蔭山卓司・佐藤綾音・長窪花日
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http://omegafiction.com/
[写真・文:林采芽]