劇団シアター・ウィークエンド『明日元気になあれ!』

劇団シアター・ウィークエンド『明日元気になあれ!』の稽古場にお邪魔してきました。

40年の歴史を持つ、新劇の流れを汲んだ老舗劇団です。老若男女、本当に様々な年代な方が参加されており、座組の雰囲気はまるで大家族のようです。

今年72歳という主催の松本喜臣さんですが、とてもそんな年齢には見えないくらいに若々しく、そんな松本さんを中心に生き生きと演技を楽しむ俳優さんたちがとても印象的な稽古場でした。

●松本喜臣さん(演出・出演)の話

今回は40周年の公演ということですが、40年続けてこられた原動力があれば教えてください。

→ある意味で後に引けませんでした。大学から東京に行って、そのまま映画監督になりたかったのに挫折して文学座へ。14年くらい東京にいたんですけど、ヨーロッパ巡演に同行した際にカフェ・テアトルというところでコーヒーやブランデーを飲みながらお芝居しているのを観て、そういう小劇場みたいなものを作りたいなと思いました。でも東京でそれをやると3000万くらいかかると言われて。名古屋は故郷だし、親に借金して1000万くらいで都通り2丁目に喫茶劇場を作って、そこからズルズルと(笑)。劇団員にも恵まれ、それに励まされてここまできました。もう72歳なんですよ。生きている間はやっていきたいです。

今回のような多人数の座組で苦労されている点はありますか。

→ぼくも非力なんですけど、交通整理で終わってしまうところがあります。スタジオ公演の場合は6人くらいなんですけど、外でやる場合はある程度空間がありますから、小さいところでやっている反動が出るんです。また、彼女(東田麻希さん)が書く話は大人数が多いんですよね。音楽も入るしダンスも入るからどんどん膨らんでいってしまう。なので青空星夫さんや北川とみさんたちのお力も借りながらやっています。他にもロマンの赤松ってお笑い芸人の方にも出て貰っています。実はうちに出ると売れるというジンクスがあるんですよ。スギちゃんには過去に2回くらい出て貰っています。東京の中野に『Studio twl』というお笑い専門のスタジオがあって、本来ぼくらが旅公演をする目的で作ったんですけど、お笑いに貸しているうちにお笑いの登竜門になってしまったようなんです。なので、そこのお笑い芸人の方に出て貰っているんです。

●東田麻希さん(作)の話

40周年公演でこの『明日元気になあれ!』という作品を持ってきた理由があれば教えてください。

→暗い作品を年のせいかやりたくなくなってきました(笑)。東日本大震災から作風が大きく変わりました。暗いテーマは他の方がやってくれるので、わたしはとにかく演じる人も観る人も、そして自分も元気になれればいいなと思って書いています。昔は心の闇とかばかり書いていたのですが、わたしたちの年代の方が観て楽しかったというようなお芝居を書きたいと思っています。また、今回のオープニングは前作『Boogie Woogie』のメインテーマだったものなんです。前回観た人も、初めての人も分かるようにしつつ、登場人物には似たような人がたくさん出ています。そしてわたしの経験もたくさん入っています。20歳くらいの時に初めてアメリカで観た芝居に影響を受けていまして、音楽を取り入れた芝居をやりたいと思い、こういう形になりました。

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劇団シアター・ウィークエンド『明日元気になあれ!』

作:東田麻希
演出:松本喜臣
会場:愛知芸術文化劇場小ホール
日時:2013年6月1日(土)~2日(日)

詳細はこちら
http://www7b.biglobe.ne.jp/~twl/index.html