少年王者舘『累-かさね-』の稽古場にお邪魔させていただきました。
この日は読み合わせが中心に行われていました。王者舘の芝居は毎回非常に繊細な作り込みがされていますが、今公演はこれまで以上に難しい演出に挑戦しているようです。
また、後半ではダンスの稽古も行われていましたが、夕沈さんの振付けは健在で、王者舘ならではのあの凄まじいダンスが出来る過程を少しだけ覗き見ることが出来、非常に刺激になりました。
●天野天街さん(作・演出)の話
今回の公演タイトルが『累』(かさね)ということですが、どういうところからこのタイトルを作られたのでしょうか。
→世界というのは色々なものが重なった状態なんですよ、ということ。また、世の中の構成それ自体もその重なりのひとつであって、有り体に言えば人間の考えている全てのことは重なり合って成り立っている。今回は「台詞の前と後を重ねる」ということをいつも以上に意識して、徹底してやってみたいと思っている。全く異なる会話と会話の間にもうひとつ入れるとそれらが繋がるということも考えているが、これからなので出来るかどうかは分からない(笑)。
●中川晴樹さんの話
どういう経緯で今回の客演が決まったのでしょうか。
→ヨーロッパ企画の公演に来て貰っていて、よく飲むようになって。少年王者舘の芝居はこれまで出ていた芝居とは全く違うもので、一度触れてみたいなと思っていました。それで、劇団員の方に「出てみたい」と言ったらそれが天野さんに伝わってしまって(笑)。
王者舘の稽古に参加されてみた感想はいかがですか。
→全然文化が違うと思いました。芝居を構成するシステムがしっかり確立されていて、とても刺激的で勉強になります。
●水谷圭一さんの話
今回で天野作品への出演は3回目ということですが、これまでと違う部分はありますか。
→そうですね。これまで『百人芝居』や番外公演の『ライトフレア』に出させて頂きましたが、本公演というのは全く違う。今回は累ってタイトルからもあるように、重ねることに特化した舞台。その辺は普段よりも濃厚だと思います。
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少年王者舘 第36回本公演 『累-かさね-』
作・演出 天野天街
会場:七ツ寺共同スタジオ
日時:2012年7月26日(木)~29日(日)
詳細はこちら
http://www.oujakan.jp/