電光石火一発座『108』の稽古場にお邪魔させていただきました。
電光石火一発座の稽古場の雰囲気は出演者同士が仲良く、和やかで落ち着いた印象を受けました。しかし、演出の吉川さんの指揮のもといざ稽古が始まると一人一人が集中し、一瞬でその場が引き締まる様な感覚に圧倒されました。
また稽古のなかで、電光石火一発座の特徴である『超自然体群像会話』の一端が表れているように感じました。
読ませて頂いた台本にも冒頭の諸注意に、「決して台本通りに進めようと思わないこと」「脱線は構わないが本筋と本意を見失わないこと。己も見失わないこと」「自分の居場所をその空気の中に発見すること」等書かれており、同じシーンでもそれぞれ役者が一回一回違うものを出し、演出の吉川さんがそれを生かしながら修正するように一つ一つ繊細に作られていました。
その為、観せて頂いたほんの一部のシーンからでも役者の息遣いが伝わってくるような生の臨場感と、邦画のようなしっとりとした空気を感じました。
●出演者の皆さんに伺った電光石火一発座の雰囲気や作品の持ち味など。
ゆったり、まったりとした大人な感じ。“何気ない”感じ。(鵜飼七菜子さん)
ちょこんと置いてあるような人の温かさ。(中田顕治さん)
すごく良い雰囲気です!(七井未来さん)
地下鉄に乗ってる時耳にした会社の先輩と後輩の会話や、居酒屋で見た恋人同士の会話など日常のなかで見られるものに面白さを見出す。(小寺梨絵さん)
●吉川和典(演出・出演)さんの話
今回の見所を教えてください。
→うちの芝居の特徴は、普通の人々が生活のなかで見過ごしてしまうような日常を描いています。―劇的でない日常を重ねて劇的になっていく、そういった所が面白さだと思います。
今回ミソゲキ初参加ということですが、普段の電光石火一発座の芝居と違う部分はありますか?
→舞台設定で言えば今回が初めて「部屋の外」のお話ですね。それ以外はいつも通りの自分たちの芝居をやりたいと思います。
ミソゲキに来場される今まで演劇に触れたことが無いお客さんに一言お願いします。
→電光石火一発座の芝居は、派手な照明や音響を使う感じのいわゆる「劇的な」劇ではないので普段は芝居になじみがない様な方も楽しめるものになっていると思います。
最後にミソゲキに対する意気込みをどうぞ!
→気張らず良い意味で力を抜いて、この大晦日のイベントを皆さんと楽しくやりたいです。
[写真・文:川口拓人(牛乳地獄)]