ROGO『銀河鉄道の夜2015』の小屋入りにお邪魔させて頂きました。
今作は2020年まで掛けて毎年全国各地で上演していくそうで、そんな作品が名古屋にも来てくれました。
とにかく親子で観て欲しいという気持ちが強く伝わるインタビューでした。少し難しい部分があったとしても親子でそれらを語り合って欲しい、そんな思いが込められた作品のようです。
演出内容もオフレコで教えて頂きましたが非常に面白いアイデアを具現化しており、舞台芸術作品としても注目です。
●古川康大さん(脚本・演出)、横井佑輔さん(制作)の話
――数ある作品の中で『銀河鉄道の夜』を選ばれた理由を教えてください。
古川康大さん(以下古川):色々作品がある中で、宮沢賢治の中で、何故これかと言うと、子供の頃にこのタイトルにしびれたんです。内容はほとんどよく分からなかった。でもタイトルが美しいなって。そういう所から宮沢賢治が好きになりました。そして2012年の初演の時、親子連れの子供が見えづらかったのか立ったまま観劇しているのを後ろで見て、そこに自分が演劇やライブパフォーマンスに入る原点みたいなものを垣間見たんです。母親に連れて行かれたサーカスだったり映画館だったり。その前の年には震災もありまして、色々なものを失ったと思うんですけど、そういう原風景を見て、でもこれを続けてやっていけば出来ることが見えて来るはずだって。自分自身の為以外、誰かの為に作れる芝居が出来るかもしれないと。そういうお芝居を作りたいなと思いました。
――今作を演出する上で気を付けていること、そして他の同タイトル作品と比べてここが違うという部分はありますでしょうか。
古川:原作に対して忠実に行いたい。ただ難しいお話なので、正確に言うと真摯に向き合いたい。このお芝居は親子で見て貰いたい。決して児童劇でも子供の為だけに作られたものでもありません。出来れば親子で観て頂いて、その後に子供が分からなかったことをお父さんお母さんに言葉にして貰いたい作品です。なので大人も楽しめて、子供も楽しめる作品です。そして役者には緊張する瞬間。動くことに対する動機とか、立っているだけでも優しい緊張や強い緊張、肉体を上手いこと使って頂けるようにして貰いたいと常に言っています。
――見所を教えてください。
横井佑輔さん:実は大阪からしか関わっていないので一歩引いた目線になるかもしれませんが、銀河鉄道の夜というタイトルにしびれたというのはとても共感します。そしてぼくが見て来た色々な銀河鉄道の夜の中で一番面白いと思える作品なんじゃないかと思っています。単に自分が関わっているからでは無く。本当に真摯に取り組んでおられると思います。
古川:まずは賢治の言葉と歌ですね。高尚な歌では無く、自分の傍らにいる優しい歌なので。あとは照明と音を含めた空間の中で自分達のアイデアを持って作っています。18名の役者が一体になって作り上げている作品を楽しんで頂けたらと思います。
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ROGO『銀河鉄道の夜2015』
原作:宮沢賢治
脚本・演出:古川康大
会場:愛知県芸術劇場小ホール
日時:2015年9月16日(水)
出演:篠原和美・石橋静河・小川剛生・経塚祐弘・櫻井麻樹・宮原将護・笹川智之・鈴木眞・奥咲姫・飯村未侑・永田若葉・木谷美絢・清水貴子・成田麻美・梅田めぐみ・寒川明香・多賀栞里・祁答院雄貴