投稿者「名古屋演劇アーカイブ」のアーカイブ

植田良子 さん

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はじめまして。
香川で演劇活動をしています植田良子と申します。2014年にシアター・デザイン・カンパニー(http://theatredesign.info/)という制作団体を立ち上げました。もうすぐ3年目です。

まず、これを読んでくださっているみなさんは香川の演劇状況のことをあまりご存知ないのではないかと思いますので、簡単に説明させてください。

香川はこの10年で演劇環境が大きく変化しました。その大きな要因は「四国学院大学」「瀬戸内国際芸術祭」です。また、昨年、多田淳之介さんが高松市アートディレクターに就任されましたし、香川出身の映画監督である本広克行監督も演劇公演の招致に意欲的です。

一方で香川を拠点に活動する劇団としては、近年目覚ましい活動を展開しているマエカブをはじめ、約20の劇団が活動しています。この秋には10数年ぶりとなる演劇祭が開催される予定です。

そのような状況のなかで、私たちシアター・デザイン・カンパニーの現在の活動は、県外劇団の公演やアーティストインレジデンスの制作協力がメインとなっています。おかげさまで、毎月現場が入っているような状況です。これは2年前の立ち上げ時に目論んでいたことではなく、人が人を呼び、繋がりができて、形になり、転がって、ここまで来たように感じています。

私は2006年に小劇場制作サイトfringeが主催する「地域の制作者のための創造啓発ツアー/PmP2006」(http://fringe.jp/category/special/pmp/)という制作者セミナーに参加しました。このセミナーには、私より前にリレーに参加された小室さんと森さんも参加されていました。他にも、現在も第一線で活躍されている方が多くいらっしゃいます。

実は私はこのセミナーに参加した年の年末から7年間、演劇活動を休止していました。病気療養のためです。そして7年のブランクを経て、2年前に活動を再開しました。再開と同時に団体を立ち上げましたが、正直、ほぼ見切り発車でした。「演劇に関われる。うれしい!」という気持ちだけで動きはじめました。何の予定も計算もなかったんです。

そのうち、PmP2006で一緒だった当時の参加者のみんなが「戻ってきたんだね」と声をかけてくれるようになりました。7年も経っているのに、私のことを忘れないでいてくれたことに対する感謝の気持ちでいっぱいでした。感動でした。

それから、1年目は今ひとつ迷走していたのですが、1年目の終わりに劇団衛星のお茶会演劇を香川に呼ぶことができまして、それをきっかけに、色々な事が一気に転がり始めた感があります。劇団衛星を呼ぶことができたのは、プロデューサー植村さんとのPmPでのご縁があったからです。そして、それに始まって、人が人を呼んで、繋がりができて、形になっていく、その繰り返しでここまで来ました。

こういう書き方をすると「人脈が大事」という風に受け取られるかもしれませんが、そうではないと私は思います。もっと単純に「友だちをつくる」といった感じでしょうか。そして、そこから先を期待するのであれば、逆に「常に期待される自分」でいることが大事なのではないかと考えています。

ところで、シアター・デザイン・カンパニーの活動目標は「演劇のフォロワー」を増やすことです。それは「つくる人」「観る人」そして「応援する人」を指します。その中でも私は「応援する人」こそ大事だと考えています。金銭的な援助を頂けることももちろん大変ありがたいことですが、それだけでなく、場所を提供してくださる人、物を貸してくださる人、ポスターを貼らせてくださるお店が増えることも、地域の演劇活動を支えるには非常に大事なことです。また、もっと身近なところでいうと、家族や同僚が演劇活動を理解してくれるのも「応援する」ことです。そのように、演劇を「応援する人」が増えることが「観る人」を増やすことに繋がり、そして「作る人」を育てることにも繋がると考えています。そのような繋がりを生み出すことで、香川を演劇の浸透した地域にすることが目標です。

長くなってしまいました。ペピン結構設計の里見さんからのご質問にお答えせねば。

「2015年、一番印象的だった作品はなんでしょうか?」
香川で観た芝居に限定すると、四国学院大学の身体表現と舞台芸術マネジメントメジャー(演劇コース)2 期生による卒業公演『その節はお世話になりました。』です。平田オリザさんと西村和宏さん(サラダボール)が大学に来られての最初の学生たちによる卒業公演でした。彼らが4年間かけて吸収した様々なモノと若さによるエネルギーが爆発した素晴らしい舞台でした。四国学院大学の学生の舞台を観るのは、その成長を見守る楽しさもあります。

「香川でいま気に入っているご飯屋さんをひとつ挙げるとしたら教えてください(うどんを除く)」
うどん屋を除くとは、キビジイご質問・・・!(笑) でも頑張って探しました。高松市田町の「rai」というお店です。(http://tabelog.com/kagawa/A3701/A370101/37001121/) 何を食べても美味しいです。今度の滞在時にはぜひご一緒しましょう!

さて、次のバトンですが、上にも出てきました劇団衛星プロデューサーの植村純子さんにお渡しします。シアター・デザイン・カンパニーの活動が展開していくきっかけを作ってくれた人です。私にとっては制作界のお姉さんのような存在です。(実際は私の方が年上です。)姉さん、よろしくお願いします!

なお、質問は、「劇団衛星30周年にはどんな作品を上演したいですか?」です。私は制作者である以前に衛星の大ファンなんです。是非30周年まで走り続けていただきたい!

もう1つはプライベートなことを。「一番リラックスできるのは何をしている時ですか?」です。毎日多忙な姉さんがちゃんとリラックスして疲れをとっているのか、心配なのです。ちなみに私は、飼い猫とゴロゴロしている時が一番幸せです。

長くなってしまいました。今後の予定なども書きたかったのですがやめておきます。よろしければブログ「演劇活動日記・さぬき発」(http://ryokoueda-pktp.seesaa.net/)をご覧ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。どこかでお会いできる日を楽しみにしております。