半田桃子 さん

こんにちは。東京で演劇制作、プロデュースをしている半田桃子と申します。香川県高松出身で、演劇を始めたのは大学時代に演劇サークルに入部してからです。そこで先輩にいた松居大悟さん、目次立樹さんと出会い、ゴジゲン(http://www.5-jigen.com/)の旗揚げに関わりました。卒業後はいちど一般企業に就職しました。そこから芸能プロダクションで舞台制作の経験を積み、フリーになりゴジゲンに戻ってきました。

制作のお仕事は10年選手ですが、最近楽しかったのは映画の製作に携われたことです。ひとつは「アルプススタンドのはしの方」(https://alpsnohashi.com/)という舞台化からの映画化。舞台では制作を、映画では製作委員会への参加と、グッズの制作を担当しました。全国の映画館で公開中ですので是非劇場でご覧ください!もうひとつの映画は、マネージャーとして撮影現場に参加しました。映画の進行のことはまったく無知だったのですが、いざ中にはいってみると映画作りの現場でも熱量を体験できたことは大変ありがたい経験でした。そして同時期に公開された「#ハンド全力」(http://handzenryoku.com/)も熱量が高くて愛おしい映画で必見です。

ゴジゲンのメンバーはいろんな場所に連れていってくれて、いろんな人に出会わせてくれます。地方の劇場、外部の舞台、テレビの現場、ラジオの現場、映画の現場。いろんな現場を見ると自分の仕事にもフィードバックできるし、あんなやり方、こんなやり方が見えてきて景色が開けます。たまたま学生時代から近くにいたゴジゲンの松居さんや目次さんが率先してひょいひょいといろんな分野の境界線を飛び越えていったので、たまたまそんな現場にも行けるようになってなんだかラッキーな人生です。

今年は何をしていたかというとコロナの影響で入る予定だった舞台が軒並み中止や延期になり、初めて数か月お仕事がなくなるという経験をしました。自粛中はここぞとばかりに家でゴロゴロしていました。これまで取りたくても取れなかった長い夏休みです。その頃はリモート演劇などにみんながチャレンジしはじめていましたが、「何かをしなきゃいけない」という焦りは意外となくて、ひたすら庭の朝顔のツタが伸びるのを毎日観察ながら、アニメを見て、マンガを読んでいました。そのアニメの舞台化や映画化のニュースを見て、キャラクターのラインナップを調べては「あ!このシーンをやりそうだな」という予測をするというのがマイブームに。それはそれで人間的で幸せな時間でした。この先も、1年間のうち3か月くらいは休めたらいいのにと思っています。

そうこうしているうちに、本多劇場グループPRESENTS「DISTANCE」というプロジェクトにお誘いいただき制作で入ることになりました。自粛明け一発目、6月1日から無観客で開幕した舞台です。毎日がトライ・アンド・エラーでした。5Lくらい用意した次亜塩素酸水が、「コロナに効力がない」というニュースで一晩にして方針が見直しになったり、第二弾の「DISTANCE-TOUR-」では全キャスト・スタッフのPCR検査を導入しその段取りに追われたり、これまでやったことのない業務内容の連続でした。でもそういった中でもいざ本番が始まり、キャストを舞台上に送り出し、舞台上で輝く姿を見届けるというこれまで当たり前だった景色に毎日感動し、奮い立ちました。

さて、今回バトンを回してくださった小島達子さんとは2017年のブス会*「男女逆転版・痴人の愛」の東京公演で出会いました。そこからリーディングの全国行脚で札幌公演が実現し、私が札幌に行く度に、そして達子さんが東京に来る度に、お会いするようになりました。バイタリティと愛情あふれる、大好きな先輩です。

ご質問にあった「劇団をプロデュースしていて、快感!!と思える瞬間はどんな時ですか?」わお!ちょっと恥ずかしい質問ですね(笑)。劇団で一緒に何かを作るのは全体的に楽しい作業ですが、何か物語が生まれる瞬間を目撃できることです。それから、舞台のあとの仕事が決まっていく瞬間、みんなの未来が切り開けていく瞬間がとても嬉しいです。これからもいろんなところに連れていってほしいです。

次にバトンを繋ぐのは、福岡の劇団・万能グローブ ガラパゴスダイナモス(https://www.galapagos-dynamos.com/)の松野尾亮さんです。ガラパとは大学時代にゴジゲンで初の福岡公演をして以来の付き合いで、同世代劇団として仲良くしています。松野尾さんは稀な同い年で、一時期東京のプロダクションでマネージャーをしていて一緒に局回りに連れて行ってくれたりもしました。いまは福岡に戻って劇団を支える側に立っていて、劇団の悩みも共有できる相手です。そんな松野尾さんへの質問は「博多に来たら行くべきラーメン屋を教えてください!」です!福岡が大好きなのでまた舞台で行きたいんです!これからは全国ツアーも安心・安全にできるよう全力で頑張ります!!