北村功治 さん

加賀田浩二さんからバトンを受け取った北村功治と申します。

国内小劇場系制作者最大種を自称しております。北九州で合同会社kitaya505という舞台制作会社を経営してそろそろ9年になります。自分で会社作っといてあれなんですが、9年という期間にびっくりです。それ以上に、この9年間まったく儲かっていないのでゲボが出そう泣きそうです。

そんな私と演劇との関係について少し。

小学生の時に体育館で観た演劇が初めての「劇」体験。体験はしたものの激烈につまんなかったためか内容は全然覚えてなく、ただただ激烈につまんなかったという残尿感のような感覚だけが残ってます。

激烈つまんない体験故か、約10年ほど演劇を封印しました。が、21歳のある夜、彼女(現妻)がなかなか帰ってこないので、あーた毎夜、毎夜どーゆうことなのかい?と問い質したら、「劇団の稽古なの」と謎の呪文を唱えられてしまい、劇団?稽古??なの???……気付いたら飛ぶ劇場という劇団に入団しておりました。それから、演劇がなんたるかまったく知りもせず(今もよくわかっていませんが)10年ちょっと俳優としてうっかり活動してました。加賀田さんが入団した数年後、あー俳優に向いていないなぁ…と感じつつも往生際悪く、ダラダラと劇団に居座った挙句に手を出したのが「制作」という職域でした。

そして現在に至ります、以上。

忘れる前に加賀田さんからいただいたバトンに答えます。

Q1:北九州の演劇の魅力
手りゅう弾みつけたら懸賞金!ての魅力的です。日本でここだけの魅力。探してマジ見つけたらどうするんよ、不整脈出るわ。ドリームジャンボで1等前後賞あたったらどうする?みたいな。違うな。街が適度に雑なのも魅力ですね。小倉の駅前がここ数年ですさまじくきれいになっているのですが、昔の古き良き悪き時代の雑な街並みが北九州は随分残ってます。小倉駅から南へ500mくらいの旦過市場も古き雑き魅力満載です(2027年にきれいな商業施設になるらしいですが…)。

Q2:挑戦したい料理
コロナ、コロナの1年目、担当の公演は中止になるは母や兄が体調崩すわで、田んぼだらけの実家に月二くらいで帰っていたのですがその際に、冷蔵庫にある「これいつの?」って野菜や魚や肉をとりあえず勝手に屋外で焼いて食う、ひとりBBQにはまりました。1年で30回もBBQすれば、普通の食事くらいのテンションで「さ、今夜はBBQ」とやっちまうので、流れで「今日の炊き出しBBQね」ってさらっと劇場で言ってみたいです。沖縄の銘苅ベースで公演した際に居酒屋に行くのが面倒なので、打ち上げBBQにしたら楽しかったし、安くつきました。近い将来、「劇場ってBBQするところよね?」くらいになれば良いですね。

加賀田さんから受け取ったバトンですが、沖縄の島袋景子さんにお渡ししたいと思います。

2019年に飛ぶ劇場「Q稿、銀河鉄道の夜」で初めて沖縄の地を訪れ公演しました。船便で道具を運んだわ良いが台風が微妙にカスってギリギリで道具が届いたり、泡盛飲んだり泡盛飲んだり楽シーサーな公演でしたが、単に楽しい公演を敢行しただけでなく、会場であるアトリエ銘苅ベースさんと広報、創客、地元演劇人との交流などなど、会場と協働で練り上げ一緒に作り上げた公演でした。そんな素敵な公演でアトリエ銘苅ベースさんの制作ご担当者が島袋さんでした。

島袋さんには、また公演しに絶対沖縄に行きます!と言った矢先のコロナで約束が果たせていません。お互いの近況報告、というよりか励ましあっているような連絡を取っていますが、この2年ちょっとどのような日々を過ごされていたのか、そしてこれから先の風景をどのように描いているかをバトンとしてお渡ししたいです。

最後に蛇足を少しだけ。加賀田さんから受け取ったバトンをネタにちょいと自分自身の劇的人生を振り返ってみました。私は「制作者」という自覚はあるのですが、制作者としてなにをしているのか?と問われたら特になにもしていないし、出来ていないかもしれません。強いて言えば、声を掛けてくださった方が、また声を掛けてくださるようなアレコレを粛々とこなしている、そんな感じです。多分これからも。

そんな私ですが、皆様とお会いすることがあれば声を掛けてやってください。186センチ、100キロ、雪駄かスリッパ履きなので大体、あ!あいつだ!!と、一目でわかるかと。