さんぴん+三重大学 地域の物語発掘プロジェクト『NEW TEACHER 〜振り返れば、街角に教授たち〜』

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さんぴん+三重大学 地域の物語発掘プロジェクト『NEW TEACHER 〜振り返れば、街角に教授たち〜』のメール取材をさせて頂きました。

今作品は三重での取材を元に、三重大学の学生さんと共に作る、三重でしか作れない作品になっているそうです。

演劇と社会との繋がりを考える上でも面白い企画だと思います。お時間ある方は是非足をお運びください。

●板橋駿谷さんの話

――『さんぴん』というユニットが立ち上がった経緯を教えてください。

板橋駿谷さん(以下板橋):福原が三重の文化会館の松浦さんに何かやってみたら?っと言われて、何かやらない?って声かけてくれたんです。そんで、やるなら少人数でやろうよってなってお互いに一緒にやりたい奴の名前をあげて永島と北尾を呼びました。この四人じゃなきゃやらないって最初っから話してましたね。

――一般の方へのインタビューを基に創作をするということですが、その手法をやろうと思われたきっかけがあれば教えてください。

板橋:福原と俺とロロの三浦君と話してて、当時、俺はドキュメンタリーに興味があって、福原は東京以外のところに行くと芝居を見てくれた方がありがとうってお礼を言ってくれるって言ってて、じゃあ既成の戯曲をやるんじゃなくて、俺らのできる事で恩返しじゃないけど、色んな人にたのしんでもらえる事って何だろう?って考えて、その土地でしか生まれ得ない物語を紡ごうってことになったんです。

――上演までにどういう流れを経て作品を作り上げているのか教えてください。

板橋:まずはインタビューですね。そして、そのインタビューの気になった話にタイトルをつけて書き出すんです。だいたい一人に対して4~5個。そのタイトルを並べて、これはどんな話?って訪ねて、聞いてきた人に話てもらってみんなで共有していく。それを今度は縦軸(ポジティブ ネガティヴ)、横軸(時間 空間)の座標にどんどん置いていく。そこから、この話はこれと繋がってるねっとか、この話を落語でやったら面白いんじゃないか?っとか話して構想を組み立てていく。そして、それを聞いた人がリーダーになるだけじゃなく、この話でこうしたい!って人が現れたりして、その人がリーダーとなって台本を書いて演出を考えます。それを実際に稽古でやってみて、今度はみんなで話し合いながら演出したりして練り上げていくって感じです。だから、話し合いは長いですね(笑)。

――上記の手法を実践してみての面白い点、難しい点等あれば教えてください。

板橋:面白い点は”人に歴史あり”って感じで嘘みたいな本当の話が出てきたり、細やかなんだけど何かグッとくる話があったり、とにかくその人がどんどん好きになりますね。生きてるってすげーなって。難しい点は、人の思い出を預からせてもらって作品にする訳ですから、その人を傷つけるような事があってはいけない。それに聞いた話に変な脚色をしないってのに気をつけてます。話した方のまんまの気持ちが繋がるようにしたい。これは毎回やりながらずっと悩む事ですね。

――三重という土地での作品作りにおいて、新しい発見や感じたこと等があれば教えてください。

板橋:不思議なものでその土地その土地で全く違う話になるんです。当たり前だろって思うかも知れませんが、どこでも同じようにインタビューして、こうも違うと驚きます。三重の人の印象はとにかく優しい。柔らかで、こちらを気にかけて話をしてくれる。とても素直だなぁっと感じています。俺は福島県出身なんですが、どことなく昔を思い出すのです。何故なのか分かってないんですが、不思議と心地いいです。

――今作で特にこだわっている点や挑戦してみたいこと等あれば教えてください。

板橋:初めて教室という場所でやります。とても力のある場所です。この場所とマッチングしながらどこまでも飛んで行けたらと思ってます。

――今作の見所を教えてください。

板橋:今回は三重大学のアートマネージメントの授業の学生さん達と一緒に作っていきます。学生の力ってすごいですね。エネルギーが違い過ぎる。それだけで素晴らしい!!そのエネルギーと素敵なインタビューが重なって最高な”NEW TEACHER”を楽しんでもらえたらと思います。

さんぴん+三重大学 地域の物語発掘プロジェクト『NEW TEACHER 〜振り返れば、街角に教授たち〜』
会場:三重大学教養教育校舎190番教室
日時:2016年12月8日(木)

詳細はこちら
http://www.human.mie-u.ac.jp/news-p/28-2.html