大川興業『The Light of Darkness』

160906

大川興業『The Light of Darkness』の合同記者会見にお邪魔させて頂きました。

前回にも取材させて頂いた『暗闇演劇』の新作ということですが、今回は暗転芝居の中にも、演出的な光を取り入れた新しい暗闇演劇になるとのことです。

●大川豊さん(作・演出)の話

――光の演出を取り入れることになったきっかけはあるんでしょうか。

大川豊さん(以下大川):暗闇だからこそ、微かな光に喜びや怒りや悲しみ、感情が凄く表現されてるんじゃないかと思ってですね。今は夜でもコンビニは明るいし、街灯もあるし、そんな状況の中、光の素晴らしさに気付いていなかったんじゃないかと思いました。そういうこともあって、光を全面に、主役にしてみようと。例えば以前の暗闇演劇で、100円ライターの火花を光として使ったのですが、「俺の人生なんて100円ライターみたいな人生だったな」って言った瞬間に100円ライターを光らせたら、「100円ライターってこんなに輝いていたんだ。俺は周りの光を気にし過ぎていたんだ」と人生観が変わる。100円ライターでも実はこんなに周りを明るく出来る。また、東京の公演では、舞台前に光量をチェックしているのに、毎回光り方が違うという謎なことがありました。ちょうどクローズアップしているものが強く光ったりするんです。これって結構光自身が演技してるんじゃないかなと思いました。

――初めて暗闇演劇をやろうと言った時の役者さんの反応はどうだったのでしょうか。

大川:そうですね。そこは大川興業なので。それはもう総裁が言うんだからしょうがないと(笑)。

――暗闇の中での移動はどのように行うのでしょうか。

大川:面白いもので、最初の頃は立ち位置も変わるし、背中を向けてしまうこともあったのですが、今はほぼ立ち位置は同じですね。何も考えないでくれとは言っています。「上手(かみて)に行こうとしないでくれ」と。物語につられて動くような感じです。上手に行こうとして動くとぶつかったりします。そういうのはありますね。元々明るい芝居の時でも、気持ちで演技をして欲しいし、逆に照明の光を捩じ曲げる位の気持ちでやってくれと言っています。でも暗闇の中でも1センチも違わないんじゃないかな。

――慣れることで感覚が研ぎ澄まされていくものなのでしょうか。

大川:その辺は全く分からないんですけど、例えば自分の家で真っ暗になったらテーブルにぶつかったりするんですが、稽古場になると『そこに人がいるな』と避けたり出来ます。そのシーンに集中しているかどうかじゃないかな。今回は特にそうなんですけど、時間軸が、時空が歪むんです。

――暗闇に慣れる為にやっている独特の練習法はありますか。

大川:初めの頃だけですけど、目隠しをして街中を歩いてみるとか、銀行にお金を降ろしに行くとか。でも今はそういうのはやっていないですね。やっていることとしては真っ暗な中でお弁当食べたり、演出ノートを書いたりですね。

――実際の稽古はどのように行っていますか。

大川:例えば夫婦のシーンがあったとすると、その二人きりでやります。他の人は全て排除して。台詞が間違っているかどうかというよりは、気持ち優先で。ただ過剰な演出をすると物語を壊してしまうので、SEとかもほとんど使わないですね。スピーカーを使うと、明らかにスピーカーから出ているのが分かります。服とか靴の音にも気を使っています。

――作品の発想はどのように生み出すのでしょうか。

大川:なんでも新しいジャンルをやってみようとなってしまう。匂い演劇だったり、暗闇スポーツにチャレンジしてみようとか。やりたいことはたくさんあって、ストックもたくさんあります。

――舞台は素舞台になっているのでしょうか。

大川:舞台美術はあります。マンションをイメージした舞台装置です。今回は光が主役なので、角度も重要になっていて、正面舞台となっています。

――今回初めて観るという方に向けて見所などありましたら教えてください。

大川:学生さんも多くなってきていますし、暗闇だから駄目だと思う方でも見やすくなっていると思いますので、恐れずに来てください。学割もありますし、どうしても駄目だったお客様には返金システムもございます。

――16日にはトークライブがあるそうですね。

大川:芝居とセットで観れるチケットもありますので、トークだけではなく、是非両方観てください。江頭だけ観て帰るのは一番最悪のパターンなので(笑)。

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大川興業第40回公演『The Light of Darkness』

作・演出:大川豊
会場:千種文化小劇場
日時:2016年10月14日(金)〜16日(日)

詳細はこちら
http://www.kurayami.info