俳優館『はだしのゲン』

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俳優館『はだしのゲン』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

とにかく座組の世代が幅広いという印象を受けました。聞くと10歳から70歳までおられるということです。これほど幅のある座組はそうそうないのではないでしょうか。

そして初演が東日本大震災の年にあり、そして偶然にも再演の年に熊本大地震があったということで、被災者の方々を勇気付けるような作品にしたいということでした。

世代を超えて観劇ができ、感想を語り合えるような作品だと思います。

●ほりみかさん(演出・振付)の話

――今回は再演ということですが、初演から変わっている点はありますか。

ほりみかさん(以下ほり):5年程前に初演しました。東日本大震災の年で、なので『がんばろう!ニッポン』と入っているんですけど。ストーリーもただの『はだしのゲン』ではなく、震災で福島に住めなくなった少女が広島に避難して来て、そこでゲンの本に出会うという設定だったんですね。今回は高校生の男の子が福島から避難して5年経ったんだけど、自分の生きる道を見失っている。故郷の為になんとかしたいけど道も見えない。そんな時にこの本に出会うという設定に変えています。冒頭と終わりにその話があって、中身は丸ごとはだしのゲンなんですけど。はだしのゲンを読まれたことはありますか?

――全部ではありませんが、あります。

ほり:怖いからとか、気持ち悪いからという理由で図書館から排除された時期があって、でも気持ち悪いからという理由で子供に見せないのは違うと思っていて。無駄な気持ち悪さは駄目ですけど、これは事実じゃないですか。そこから戦争や原爆の怖さを知ることが出来ると思う。子供たちにもそういうことを知って欲しい。でも悲惨な所だけじゃなくて、そんな中でもゲンがどう元気良く生きるか、勇気を持って前に進むかをテーマにしています。

――演出として変わっている所はありますか。

ほり:前回は芸文の小ホールだったので、センターステージ的に作っていたんですけど、今回は普通のステージなので、そこが一番変わっています。また、役者もほとんどが変わっていて、今回はKIMYOの野田という子が主役をしています。

――今回も音楽が多彩のようですね。

ほり:そうですね。ダンスとかミュージカルシーンを増やしたりもしています。

――元々福島の地震があって、最近は熊本でもあって。今回の再演決定にはそのことが影響しているのでしょうか。

ほり:それが偶然で、今回やろうと思ったら熊本で地震が起きたのでびっくりしました。しかも初演でゲンをやった子がいま熊本にいて、ずっと避難生活をしていたんです。だから余計に繋がってるねって言われて。そういう人達にも元気を、勇気を持って貰いたい。

――最後に見所を教えてください。

ほり:前向きに明るく、勇気を持って生きるというのがテーマなので、そこから元気を貰ってくれればいいなと思います。チラシに麦の絵があるんですけど、ゲンのお父さんの「踏まれても踏まれても麦のように生きろ」という台詞ように強く生きるという気持ちで作っています。

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俳優館『はだしのゲン』

原作:中沢啓治「はだしのゲン」(汐文社刊)
脚本:鹿目由紀
演出・振付:ほりみか
音楽:大河内俊則
会場:名古屋市東文化小劇場
日時:2016年8月11日(木)~14日(日)

詳細はこちら
http://www.hi-you-can.com/