投稿者「名古屋演劇アーカイブ」のアーカイブ

笠原希 さん

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こんにちは。
大阪で演劇制作会社ライトアイの代表を務めております笠原希(かさはらのぞみ)と申します。
熊本の古殿さんからお話をいただいてから2か月以上がたってしまい、今年ももう4分の1が過ぎてしまいました。時が立つのは早いですね。こんなに時間があいてしまって、長谷川さんごめんなさい。

まずは、私と演劇との出会いから。演劇との出会いは19歳のころに付き合っていた彼が中島らもさんの本を勧めてくれて、その本の中に中島らもさんがリリパットアーミーという劇団をやっているということが書かれてあり、扇町ミュージアムスクエアに笑殺軍団リリパットアーミーのお芝居を見に行ったのが始まりです。靴を脱いで客席に座り、まったく知らない人と肩が触れ合うような距離でギューギューになって、隣の人と一緒に肩を揺らして笑う体験は、とても魅力にあふれていて、刺激的でそこからたくさん演劇を見るようになりました。そのころは関西小劇場界ブームの真っただ中。この時見たたくさんのお芝居が私の今の原点になっていることが間違いありません。その頃、銀行に勤めていた私は4年でその銀行を辞め、なぜか自分でもやってみたいと思い、役者を目指します。20代はずっと役者をやっていたのですが、自分の役者としての限界も感じ、また制作という仕事のオファーをいただくことも多かったので、制作ならこの世界で食べていけるかもしれないとそこから制作を本格的にやり始めました。それが29歳の時です。
その後、インディペンデントシアターの相内さんにインディペンデントシアター2ndが出来るのと同時に、劇場制作のお誘いを受けます。それまでは某求人広告の会社に派遣で働いてたりしたのですが、そこもやめて、制作を仕事とするようになり、今に至ります。
制作専任でやり始めて、早10年以上を過ぎようとしています。これまでに本当にたくさんの劇団さんにかかわらせていただきました。当日受付周りの制作だけを請負っていた時期もありましたが、今は関わらせていただいてるところは、すべて企画の始まりや予算の時点から関わり、プロデューサーをさせてもらってる個人や団体も多いです。

ここ数年は出演者が1人~3人くらいまでの小さいカンパニーで日本全国を周ることが主な活動となっています。これまでに札幌・仙台・金沢・東京・三重・京都・岡山・広島・島根・山口・福岡・熊本・長崎・沖縄と日本全国のたくさんの土地で様々な作品を上演してきました。大阪だけで活動し、お客様を来るのを大阪の片隅で待っているのではなく、これだけたくさんの上質な作品を作る表現者のみなさんに関わらせてもらっているので、こちらから全国に出向いて、より多くのお客様にその作品を観てもらい、大阪の表現者と他地域の表現者やお客様とお互い刺激し合うことができればいいなと思っています。活動拠点以外の土地へ作品を持っていくことはたくさんの苦労があります。でも、それ以上にたくさんの俳優さんや全国で演劇にかかわってる方、劇場に足を運んでくださるお客様との出会いが何よりもの喜びであり、カーテンコールでの鳴りやまない拍手と開演前より少し熱を帯びている終演後の会場の空気を感じると、それまでのすべての苦労はこのためにあったのだと本当にうれしくなりますし、またここの土地に他のいい作品も持ってきて、お客様に観てほしいって心底思います。
このブログをご紹介してくださった古殿さんも熊本での公演の際は本当に親身になって、応援してくださり、たくさんのお客様を呼んでくださいました。そういう方がいてくださるからこそ、他地域での公演を続けていくことができています。
その古殿さんからの質問「もし、自分の苦手なお仕事があったら、どんな風に対応しますか?」ということですが、苦手なことでも仕事だからやらないといけないですからねぇ。頑張るしかないですかね。ごめんなさい。答えになってるでしょうか。もし、予算がある企画だったら、いっそのことそれが得意な方にお願いしてしまいますね。すいません。これも古殿さんが求めていた答えになってないかも。

次にバトンをお渡しするのは札幌で活動されていて、最近「ラボチ」という演劇制作会社を立ち上げられたプロデューサーの小室明子さんです。小室さんにも札幌の公演の際には本当に頼りっぱなしで、この方がいなければ、私たちは札幌での公演ではできませんというくらい頼りになる方です。
小室さんへの質問は「新しく団体を立ち上げられて、今後どのような活動をしていきたいと思ってますか」
札幌の演劇シーンをいい意味でかき乱すような企画を小室さんには期待しています!!
今年も札幌に行きたいのでその時はどうぞよろしくお願いします!!