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劇団あおきりみかん『鏡の星』

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劇団あおきりみかん『鏡の星』の稽古場見学会にお邪魔させて頂きました。

今回もファンが見守る中で、いつも通りの稽古を見せて頂きました。

今作は外部から演出と客演を招いての公演となりますが、普段とは勝手が違う中でも必死に、楽しそうに対応している姿が見られました。
そこから生まれる化学反応がとても楽しみな作品になりそうです。

●鹿目由紀さん(作・出演)、小林七緒さん(演出)、川本麻里那さん(出演)の話

――今公演はあおきりみかんとしては珍しく演出や出演者を外部から呼ばれていますが、どのような経緯で決まったのでしょうか。

鹿目由紀さん(以下鹿目):小林七緒さんとは2009年の中津川演劇CAMPで知り合って。最初は緊張してたんですけど、1時間もしたらバリバリ一緒にやってました。それからお芝居を観に行ったりして、とても素敵な演出さんだなって思いました。また、不思議少年のお二人とは2015年の劇王の時に会って、とても面白いお芝居をやるなって思っていて。それで今回七緒さんも不思議少年も呼んでやってみたいなと。

――今回は珍しく鹿目さんが役者に専念される形を取っていますが、心境の変化があったのでしょうか。

鹿目:普段もなるべく分けてやっているつもりなんですけど、それでも作と演出のボーダーが曖昧になってしまうし、もっと客観性を持ちたかったんです。なので一旦外国人監督に入って貰って(笑)。自分が演者として受けてみたいなって。

――この本を書かれたきっかけを教えてください。

鹿目:ロンドンの海外研修の前に七緒さんと喋る機会があって、そこで「こういう感じにしたい」という案をいくつか貰ったので、それを反映した結果です。今回は違う星に行く話なんですけど、ロンドンで「異世界だな」と感じたこともかなり影響しています。

小林七緒さん(以下小林):社会に向けて開いた本にしてくれ、というリクエストをしました。自分の半径1メートル以内の話も大事なんですけど、それはもう色んな劇団の公演で沢山観たので。昨今の社会情勢を鑑みるに、それにリンクした話もやりたいじゃないですか。そしてもうひとつは、女達が踏ん張る芝居を書いて、というリクエストをしました。

――つい最近までロンドンに行っておられたと思うのですが、その後に台本を。

鹿目:そうなんです。2月後半に前回公演が終わり、3月は皆にツアー回って貰っている間に1ヶ月ロンドンに行き、そこで考え、4月に相談しながら書いて、5月あたまに稽古スタートというタイトなスケジュールでした。

――本を読まれた感想を教えてください。

小林:ロンドンからプロットが送られて来たんですけど、逆転したミラーの星があると書かれていて。とんでもない球がキター、ってわくわくしました。でも大きい所から入っているので、書き切るまでは作家も苦労してたし、一緒に苦労しました。それで今は役者も一緒に苦労してます。この人数しかいないのに、『もう一人そっくりな人がいる』って書かれちゃってるんですから。でもそこは演劇の醍醐味ですよね。真逆の星に行くってことは、地球が持っている問題が反転した状態で目前に現れる。今作は近未来に名古屋で震災があったという設定なんですけど、ミラー星から地球の状況を見た女達が、どう変わるんだという話になっています。

――今作に於いて、演出で意識されていることがあれば教えてください。

小林:さっきの外国人監督の話じゃないですけど、既に劇団が出来上がっている所に客演出として来るので、最初はドキドキで。だけど、遠慮しないでどんどん突っ込んでいこうと思いました。今まで見えていた役者の顔のもうひとつ下の層。そこを引き出したいなと思います。テンポだけでやってると流してしまうような所でも「その台詞はどういう気持ちで吐いたんだ」と一度キチンと考える。それで考えた人同士がぶつかると結構ヒヤっとすることがある。そういうのをなるべく稽古場でやって欲しいなって。正解をすぐ決めずになるべく悩んで欲しい。

――今回小林さんの演出を受けてみて、感じることがあれば教えてください。

川本麻里那さん(以下川本):この役の芯はどこか、と聞かれるので、そういえばこの台詞何も考えてなかったとかそういうのがとても新鮮で。話の流れと役の流れというのはごっちゃにしがちですけど、そこを突かれると、単に周りに合わせてるだけだったのが、「違う、わたしこの気持ちじゃない」とか、色々な角度を足して貰える。そんな演出だと思っています。

鹿目:いやもう楽しいです。稽古が大好きなんです。役の稽古に専念できることなんて、ごくたまに客演する時くらいなので、演出受けるのが楽しいです。

――今作の見所を教えてください。

鹿目:色々ありますけど、観たらきっと楽しい気分になりつつも、これからどうしようかなって考えて貰えるような作品だと思います。

小林:一番見せたいのは役者ですよね。絶対誰かに感情移入出来る。自分がそこにいたらどうするだろうって、この人達と一緒に旅して欲しいです。

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劇団あおきりみかん『鏡の星』

作:鹿目由紀
演出:小林七緒(流山児★事務所)
会場:G/PIT(名古屋公演)
名古屋公演(G/PIT):2018年5月30日(水)~6月4日(月)
東京公演(池袋シアターグリーン):2018年6月8日(金)~10日(日)
北九州公演(枝光本町商店街アイアンシアター):2018年6月15日(金)~16日(土)
出演:川本麻里那、森岡光(不思議少年)、山口眞梨、平林ももこ、真崎鈴子、鹿目由紀、大屋愉快(Wキャスト)、みちこ(Wキャスト)、松井真人、花村広大、カズ祥、大迫旭洋(不思議少年)、篠原タイヨヲ、近藤彰吾、正手道隆

詳細はこちら
http://www7.plala.or.jp/lifu/