なごや芝居の広場『暮しの詩』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
名古屋の文化小劇場を回りつつ、上質なお芝居を作られている団体です。名古屋でも名前を聞く方々が多く入っており、非常に賑やかに稽古を進められておりました。
世代のこと、男女のこと、色々と考えさせられる芝居になっています。
初めて演劇に触れる方にもお勧め出来る作品です。
●いのこ福代さん(制作)の話
――いのこさんはどういう形で今回関わっておられるのでしょうか。
いのこ福代さん(以下いのこ):わたしは制作として。このなごや芝居の広場という企画の責任者です。
――この公演をされることになったきっかけを教えてください。
いのこ:最初は昭和文化小劇場の柿落としとしてやりたい、という話が演出のなかさんからあって。だったら文化小劇場が名古屋市の15区に出来るので、全部の区で出来るかは分かりませんが、これが文化を根付かせるきっかけになればいいなと。今回は2館ですけれど、2月3月の時には4館やっているので現在6館。ただ、『暮しの詩』という作品はこれで終了で、第二弾が既に決まっています。2019年の1月から2月に掛けて松本清張の『ゼロの焦点』を朗読劇でやります。この企画の取り組みは3年間続くんです。なごや芝居の広場を通じて、地域に演劇が定着するといいなと思います。
――今作の見所を教えてください。
いのこ:『暮しの手帖』の初代編集長、花森安治をモデルにしたものです。花森安治という人は、婦人雑誌の元を作った人。戦後すぐのことですが、女性が働くことであるとか、日本の電化製品を批評して良い製品を作る後押しをしたりとか、現在にも通じることが沢山出て来ます。そして前半は花森安治がユニークなことをやったという話ですが、後半は陽子という若い女性が主役になってくるんです。花森安治は当時の女性の能力を非常に高く評価し、女性のものの考え方を尊重しています。そんな若い女性に彼が何を託したのかというと、自分の頭で考え、決定を下していくこと。それが花森安治が考えた民主主義。特に今の若い子達が陽子の有り様をどうやって観てくれるのか楽しみにしています。
――観る人によって感情移入出来る役が色々ありそうですね。
いのこ:そういう見方をして頂けると嬉しいです。花森安治は大政翼賛会で宣伝マンをやっていたので、忸怩たる思いがあったんだと思います。騙されたという。だからこれからは騙されない人を作ろうというのがベースにある。また、男性が暮しに参加するということが否定されていた時代で、暮しがベースに無いと平和が守れない。そういう思いが男性に対して強くあったと思います。
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なごや芝居の広場『暮しの詩』
作:小山内美江子
演出:なかとしお
会場:中川文化小劇場、北文化小劇場
中川文化小劇場:2018年6月19日(火)~20日(水)
北文化小劇場:2018年6月22日(木)~23日(金)
稲沢市民会館:2018年8月23日(木)
料金(全席自由・前売):大人3000円/高校生以下2000円/当日プラス500円
チケット取り扱い:052-249-9387(名古屋市文化振興事業団チケットガイド)
問い合わせ:052-369-1845(中川文化小劇場)、052-910-3366(北文化小劇場)