牛乳地獄『卒業』

牛乳地獄『卒業』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

この日は出演者のほとんどが揃った日ということで、作演出の桐原さん、そして劇団員である役者さんを中心に、全員が登場する場面を集中的に稽古をされていましたが、多くの役者さんがひしめき合って、非常に賑やかな稽古風景でした。

桐原さんの発想力と理論が折り混ざった独自の世界観で、旗揚げから数年で一気に10回公演と走ってきた牛乳地獄。今回は意図的に演出の方向性を変えているということですが、これまでの経験と新たな試みでどのような世界を展開されるのでしょうか。非常に楽しみです。

●桐原工務店さん(作・演出)の話

今回は『卒業』というタイトルなのですが、こういうタイトル、テーマにされた理由があれば教えてください。

→前回の『かれる』という作品のキャッチコピーに『卒業シーズンですね』みたいなことを書いたんですけど、次のタイトル決めないと、と思った時に、これにしようかなとぱっと思い付いたんですね。だからあまり意味がないんです。そこから要素を分解して、どう作っていくかということですね。

演出上で、意識されたことがあれば教えてください。

→いつもと違う演出をしています。いつもはストーリー芝居というか王道のようなことをやっているのですが、今回は世界観が違うところにぼくが迷い込んだらどうなるのかなということを考えていまして。この作品を書く前に『不思議の国のアリス』を観てたんですけど、99年版ですね。それが凄く面白かったんです。これまでは童話でしょ、ディズニーでしょ、というイメージだったんですけど、観てみたら凄く面白くて。訳が分からないのに凄く分かる。そういう訳が分からないのに分かってくるという芝居をどうお客さんに伝えたらいいのかと考えて作りました。こういう世界観ですよというのを、お客さんには否定的な立場から入ってもらって、肯定的になっていってもらえればと思っています。

●藤村昇太郎さん、佐野かおるさん(出演)の話

今回の役作りで意識していることがあれば教えてください。

→藤村昇太郎さん:今回は役が2、3あるんですけど、その内のひとつがモノマネ発端でして。でも今はそのモノマネを崩してるんですね。演出との兼ね合いなんですけど。でもどこかしら匂わせたいので、そこを気にしています(笑)。全然似てないんだけど、ぽかったですと言われたら嬉しいです。

→佐野かおるさん(以下佐野):いつも何役かやっているんですけど、今回は特にキャラ分けがちゃんと出来るようにと言われています。苦戦してるんですけど。

桐原さんの演出の特徴などあれば教えてください。

→佐野:桐原さんが大事にしてるのは、役者が楽しみながら、個性を活かして役を彩って欲しいということだと思います。あとは、観ていて気持ち良い、ワクワクするようなテンポを重視してるんじゃないでしょうか。

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牛乳地獄act.10『卒業』

作・演出:桐原工務店
会場:G/pit
日時:2013年4月19日(金)~21日(日)
CAST:日置美穂・桐原工務店・服部半僧・藤村昇太郎・佐野かおる
ゲスト出演:服部眞奈(南山大学HI-SECO企画)・橋山直人(劇団シアターウィークエンド)・山口あやか(劇団じゃこ)・新沢弥・古原万稚・林俊輝・玉田雅哉(南山大学HI-SECO企画)・大橋謙一(牛乳地獄)・柴田奈男樹・NeeeeeZU

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http://gyunyujigoku.fuma-kotaro.com/