投稿者「名古屋演劇アーカイブ」のアーカイブ

土屋わかこ さん

お初にお目にかかります。
「那覇文化芸術劇場なはーと」(https://www.nahart.jp/)にて企画制作をしております、土屋わかこと申します。
アトリエ銘苅ベースの島袋景子さんよりバトンをいただき、ありがとうございます。随分時間が経ってしまいました。ごめんなさい…

私の勤める「那覇文化芸術劇場なはーと」は一昨年10月にオープンしたばかり。沖縄の文化拠点として、まだまだ沢山の可能性を秘めた公共劇場です。ホールでの舞台芸術の催事だけでなく、共用ロビーを利用したアートも展示しております。沖縄らしい花ブロックを用いたロビーや海の中をイメージした大劇場、首里城の琉球王朝文化を感じさせる小劇場など沖縄の魅力もたっぷり詰まっています。観光で沖縄にお越しの際にもぜひお立ち寄りください。ちなみに「なは(那覇市)」×「ハート(心)」×「アート(芸術)」で「なはーと」です。

さて、私がどのように沖縄に辿りついたのか、少々長くなりますが説明させてください。
出身は静岡県沼津市です。私と「舞台制作」との出会いは大学生でした。
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の映像・舞台芸術学科 舞台芸術コースに在籍中、学科長の太田省吾さんを中心に、観世榮夫さん、岩下徹さん、山田せつ子さん、松田正隆さんなどなど舞台芸術の様々な分野に現役で活動されているアーティストが講師に「舞台芸術」とは何か、そして創作に対する眼差しと姿勢を講義だけでなく一緒に創作する時間や実際の作品から学ばせていただきました。そこで、その皆さんを支える「制作」という仕事に興味を持ちました。とくに、大学でも教えていただき関西を拠点に舞台芸術プロデューサーとして活躍されていた志賀玲子さん(現在は城崎国際アートセンター館長)のお仕事を目の当たりにし、憧れを持ちました。
もう一つの出会いは、同期の演出家・杉原邦生さんのカンパニー「KUNIO」です。そこではプロデュース能力の高い杉原さんのクリエイティブな感性と演劇のみに留まらないミーハーで最先端な創造性にワクワクしながら「制作」として沢山の経験と、私自身の制作者としての課題を見つけることができました。有難いことに卒業後には並行して、京都芸術大学 舞台芸術研究センターでも働かせていただくことができ、そこで60歳以上のみなさんと共に作品を創作したことから、「劇場」という場での制作者を本気で目指すことに決めました。これは劇場にお客さんとして来てくださる元気な60歳以上の方が多いなと感じたことから企画したもので、つまりこの企画を通して、私は地域の人たちともっと多様な「舞台芸術」を繋げる仕事をしたいのだと気づいたのでした。
そうして「KUNIO」を離れ、東京・新宿の「全労済スペース・ゼロ」を経て、長野県松本市にある串田和美さんが芸術監督を務める公共劇場「まつもと市民芸術館」で制作専門員として働かせていただきました。この松本市では、串田芸術監督発案による様々な企画…「まつもと大歌舞伎」や舞台上を贅沢に使う「空中キャバレー」、劇場を飛び出した屋外での公演など市民のみなさんを巻き込み、協力いただきながらの企画を沢山経験させていただきました。
あるとき、よく足を運んでくださるお客様から「これまで東京の劇場までわざわざ舞台を観に行っていたけど芸術館でも十分に楽しめる」という話を伺いました。そこで、長野から離れた地域の作品をやれたら良いのではと思い、山に囲まれた松本と真逆の海に囲まれた沖縄の芸能「組踊」を上演する企画を立てました。そこから琉球芸能「組踊」について沖縄に通って学ぶようになり、そのなかで「アトリエ銘苅ベース」の存在によって沖縄の現代演劇が盛り上がっているということを知りました。その様子に憧れもあり、何か私にも出来ることがないだろうかと思っていたこともあり、ご縁があって沖縄県浦添市の公共ホール「アイム・ユニバースてだこホール」に入社したことをきっかけに、コロナ禍真っただ中の沖縄に引っ越して今年で三年目を迎えます。
長々と失礼いたしました…
さて、ようやく景子さんからの質問に回答できますね。「沖縄でやりたいこと」それは海辺でのBBQです。
私はまったく泳げないので海辺の楽しみを知らなかったのですが、沖縄的な海の楽しみ方=BBQをしたいです。コロナが明けたら思いっきりやりたいです。沖縄のみなさま、ゆたしくうにげーさびら(よろしくお願いします)!!

さあ、そして次のバトンは長野県上田市にあります「犀の角/一般社団法人シアター&アーツうえだ」の代表理事・荒井洋文さんです。上田はまだ寒いのでしょうか…こちらはもうセーターだと汗をかく日もあります。
荒井さんへの質問は…「上田で一番好きな景色の場所はどこですか?」

さあ、そして、宣伝をさせていただきます。
島袋景子さんがブログを書かれた頃に共に取り組んでおりました「沖縄・復帰50年現代演劇集」のなかで上演した作品・劇艶おとな団プロデュース『9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)』はなんと「CoRich舞台芸術まつり!2022春」のグランプリを受賞しました。

そして、そのおかげで5月20日(土)、5月21日(日)とロームシアター京都ノースホールで開催することができます。
【公演詳細:https://rohmtheatrekyoto.jp/event/102662/

沖縄県外の方に知って欲しいことがいっぱい詰まった作品です。新緑の京都で沖縄の皆さんの熱い想いを受け止めていただければ幸いです。お待ちしております!